尖閣海域「中国漁船」事件で中国紙が日本に警告
2010/09/08/Wed
「両国民間では強烈な感情がほとばしり出すことだろう」と予測するのは九月八日付の中国紙「環球時報」(中共機関紙人民日報系の国際情報紙)の社説である。七日に「釣魚島付近で日本の巡視船と中国漁船が衝突」した事件は、「中日間の新たな公共事件となっている」と指摘している。
社説のタイトルは「“ぶつかる”は日本当局の高度な危険行為」。

盛んに尖閣事件を報じる環球時報。反日愛国主義を煽っているか
にも見える
ここでは「ぶつかる」は、中国漁船が釣魚島海域に入ることの危険を高めるための日本の策略」だとした上で、「中日世論の両国による海上での摩擦問題への関心が高まるに伴い、日本には中日関係をひどく火傷させる炎を点け、両国を対決へと追いやる可能性すらある」と警鐘を鳴らす内容である。
どうも日本の巡視船が中国漁船に体当たりしたとの事実捏造の上に立ってのものらしい。「ぶつかる」は「中国社会に向けた強硬な信号」であり、「必然的に中国社会全体の高度な関心を激発させる粗暴行為」だと非難している。

中国では漁船が衝突の被害者と報じられている
そして「中国側は民間船に釣魚島海域での活動を奨励などしていない」「日本は中国が自分を恐れるだろうと言う幻想を抱いてはならない。争いを処理するにおいては、自己の尺度を放棄して、中国社会の受け止め方を考えなければならない」「日本当局は昨晩、公務執行妨害の罪名で中国の船長を逮捕したが、きわめて野蛮である」等々と、日本側への説教を展開している。
それにしても日本側が中共の御用メディアから、ここまで「危険」「粗暴」「野蛮」と非難されるのも珍しい。おそらくこれまで中国には、よほど大人しかったのだろう。
実際には今回も、政府はそうとう処理に悩んだらしい。海保庁が現行犯逮捕としてもおかしくない船長を立件する方針を固めたのは、中国船への立ち入り検査から実に半日も経ってからだった。
なぜなら「関係省庁の幹部と首相官邸が協議を繰り返し、適用法令をめぐっても慎重な検討を重ねた」「仙谷由人官房長官は中国側と波風を立てずに済ませたいとの態度をみせた」等々、政府内部で「外交問題化を避けようとした」からだ(産経、八日)。
ただ最終的には「我が国の領海内の出来事。我が方としては法に基づいて粛々と対応していく」(岡田外相)との姿勢を固めることができたのは何よりである。
だがこうした日本側の変化に中国が関心を示さないはずがない。環球時報の社説は「日本の世論では最近、中国に強硬姿勢を求める声が不断に聞かれる。だから日本の巡視船の行動により、日本政府はこうした声に応え、中国との海上問題に関する姿勢を変えたのではないかと疑わざるを得なくなる」とし、日本国内の対中強硬世論からの影響を警戒している。
さらに「ここ最近、日本では南西方面での戦略構想に変化が生じているが、中国への対応が主目的らしい。西南方面の島嶼への自衛隊の増派や、釣魚島周辺での軍事演習に関する具体的な動きも見られる」などとの懸念を示すことも忘れていない。そしてその上で次のような日本へのアピールも。
「こうした動きは、日本政府が重ねて訴えてきた“東海を平和の海にする”と矛盾している。日本は本当に中国に強硬な姿勢を見せることが、中国と共同で問題解決に当たることよりも安全に役立つと思っているのだろうか」
ここまで言われれば、政府内部では「中国の言うとおりだ」と呼応する声が噴出することだろう。そもそも政府が東支那海を「平和、友好、協力の海」「友愛の海」にしたいと繰り返してきたのは、中国とのトラブルを避けたい一心からだった。
こうした政府の臆病な心理が拭われない限り、日本はまったく安泰とは言えない。
だが「釣魚島は典型的な主権争議の地域。こうした地域で中日は、ともに謹慎するべきだ」などと社説は主張するが、こうした中国側の訴えなど、日本人にはまったく聞くに値しない。
なぜならこれまで「謹慎」してきたのは日本であって、中国ではないからなのだ。「問題棚上げ」の約束を守れない中国の前で、ひとり「棚上げ」を続けるのは愚かであり、国家主権を放棄する国民への背信に等しいのである。
外国の実力行使から領土主権を守るためには、日本も実力行使を辞さないとの姿勢が政府には求められている。そしてその政府を後ろから支えることができるのが国民世論なのである。
中国が日本の世論の動向を気にするのも理解できよう。
次回は本当に「ぶつかって」行け。
【過去の関連記事】
尖閣海域での「中国漁船」暴走は民主党政権への試金石 9/7
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1279.html
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9月10日(金) 16時00分~19時00分 「渋谷」駅ハチ公前広場
9月11日(土) 16時00分~19時00分 「渋谷」駅ハチ公前広場
9月13日(月) 16時00分~19時00分 「有楽町」駅イトシア前
9月14日(火) 12時30分 大江戸線「赤羽橋駅」赤羽橋口出口 集合
13時00分 民主党代表選会場「ザ・プリンスタワー東京」前での抗議行動
主催:
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社説のタイトルは「“ぶつかる”は日本当局の高度な危険行為」。

盛んに尖閣事件を報じる環球時報。反日愛国主義を煽っているか
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ここでは「ぶつかる」は、中国漁船が釣魚島海域に入ることの危険を高めるための日本の策略」だとした上で、「中日世論の両国による海上での摩擦問題への関心が高まるに伴い、日本には中日関係をひどく火傷させる炎を点け、両国を対決へと追いやる可能性すらある」と警鐘を鳴らす内容である。
どうも日本の巡視船が中国漁船に体当たりしたとの事実捏造の上に立ってのものらしい。「ぶつかる」は「中国社会に向けた強硬な信号」であり、「必然的に中国社会全体の高度な関心を激発させる粗暴行為」だと非難している。

中国では漁船が衝突の被害者と報じられている
そして「中国側は民間船に釣魚島海域での活動を奨励などしていない」「日本は中国が自分を恐れるだろうと言う幻想を抱いてはならない。争いを処理するにおいては、自己の尺度を放棄して、中国社会の受け止め方を考えなければならない」「日本当局は昨晩、公務執行妨害の罪名で中国の船長を逮捕したが、きわめて野蛮である」等々と、日本側への説教を展開している。
それにしても日本側が中共の御用メディアから、ここまで「危険」「粗暴」「野蛮」と非難されるのも珍しい。おそらくこれまで中国には、よほど大人しかったのだろう。
実際には今回も、政府はそうとう処理に悩んだらしい。海保庁が現行犯逮捕としてもおかしくない船長を立件する方針を固めたのは、中国船への立ち入り検査から実に半日も経ってからだった。
なぜなら「関係省庁の幹部と首相官邸が協議を繰り返し、適用法令をめぐっても慎重な検討を重ねた」「仙谷由人官房長官は中国側と波風を立てずに済ませたいとの態度をみせた」等々、政府内部で「外交問題化を避けようとした」からだ(産経、八日)。
ただ最終的には「我が国の領海内の出来事。我が方としては法に基づいて粛々と対応していく」(岡田外相)との姿勢を固めることができたのは何よりである。
だがこうした日本側の変化に中国が関心を示さないはずがない。環球時報の社説は「日本の世論では最近、中国に強硬姿勢を求める声が不断に聞かれる。だから日本の巡視船の行動により、日本政府はこうした声に応え、中国との海上問題に関する姿勢を変えたのではないかと疑わざるを得なくなる」とし、日本国内の対中強硬世論からの影響を警戒している。
さらに「ここ最近、日本では南西方面での戦略構想に変化が生じているが、中国への対応が主目的らしい。西南方面の島嶼への自衛隊の増派や、釣魚島周辺での軍事演習に関する具体的な動きも見られる」などとの懸念を示すことも忘れていない。そしてその上で次のような日本へのアピールも。
「こうした動きは、日本政府が重ねて訴えてきた“東海を平和の海にする”と矛盾している。日本は本当に中国に強硬な姿勢を見せることが、中国と共同で問題解決に当たることよりも安全に役立つと思っているのだろうか」
ここまで言われれば、政府内部では「中国の言うとおりだ」と呼応する声が噴出することだろう。そもそも政府が東支那海を「平和、友好、協力の海」「友愛の海」にしたいと繰り返してきたのは、中国とのトラブルを避けたい一心からだった。
こうした政府の臆病な心理が拭われない限り、日本はまったく安泰とは言えない。
だが「釣魚島は典型的な主権争議の地域。こうした地域で中日は、ともに謹慎するべきだ」などと社説は主張するが、こうした中国側の訴えなど、日本人にはまったく聞くに値しない。
なぜならこれまで「謹慎」してきたのは日本であって、中国ではないからなのだ。「問題棚上げ」の約束を守れない中国の前で、ひとり「棚上げ」を続けるのは愚かであり、国家主権を放棄する国民への背信に等しいのである。
外国の実力行使から領土主権を守るためには、日本も実力行使を辞さないとの姿勢が政府には求められている。そしてその政府を後ろから支えることができるのが国民世論なのである。
中国が日本の世論の動向を気にするのも理解できよう。
次回は本当に「ぶつかって」行け。
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尖閣海域での「中国漁船」暴走は民主党政権への試金石 9/7
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9月13日(月) 16時00分~19時00分 「有楽町」駅イトシア前
9月14日(火) 12時30分 大江戸線「赤羽橋駅」赤羽橋口出口 集合
13時00分 民主党代表選会場「ザ・プリンスタワー東京」前での抗議行動
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