中国の戦略に奉仕する琉球新報―与那国島「防空識別圏」拡張で露呈した「従属」姿勢
2010/06/29/Tue
■防空識別圏拡張に不満の国には「悪意」あり
台湾までわずか百十キロの地点に位置する日本の最西端の与那国島の東経百二十三度の上空には日台の防空識別圏(ADIZ)を区切るラインが引かれていた。
超音速の外国軍機が領空を侵犯すれば、領土上空に至るまで一分とかからない。そこで領空の外側空域にADIZを設定し、そこへ通報なしで侵入しようとする外国機にスクランブルをかけるわけだが、そのADIZが領土上空に設けられていたわけだ。
このような異常な状況は米軍が沖縄占領時代にもたらしたものだが、沖縄返還後も防衛庁(省)はそれを変更しなかった。
それには政府が中国への配慮で、台湾との政府間交渉を避けてきたとの状況もあった。ただ台湾は「準同盟国」とも呼べる友好国であったため、それでもほとんど支障がなかった。
しかしやはりこのままでは、島民は不安である。そこで防衛省は島や県の要望に応える形で六月二十五日、ADIZを島の上空の部分のみ、西側に十四海里(約二十六キロメートル)拡張させた。
他のADIZと同様、領空(領土から十二海里=二十二キロ)よりさらに二海里(三・七キロ)外の線までである。


だが今になって再設定を行ったのはなぜか。それは無害だった台湾以外に、有害な第三国が出てきたからではないか。もし今回の措置に関して不満を表明する国があるとしたら、「悪さ」を企んでいるのはきっとその国だ。
そして案の定、香港紙「大公報」(電子版)が二十八日、不満を綴った。
■与那国島への陸自駐屯にも不満の中国
そこにはこうある。日本新華僑報の記事を転載したものだ。
―――日本が防空識別圏を台湾側の海上にまで拡大したのは、台湾防衛の重任を担うために見える。
―――三月二十六日、北沢俊美防衛相は与那国島を視察した際、現地での自衛隊配備を積極的に検討すると述べた。日本が与那国島に駐兵を行うのは国家防衛のためだけでなく、剣を抜く形で実質的に日台関係を向上させたいと思っているからだ。
―――去年九月の就任以来、東アジア共同体の建設を高唱してきた鳩山首相だが、米軍基地とその抑止力を維持することとなった。
―――北沢氏は、中国は日本列島、沖縄、台湾を結ぶ第一列島線への影響力を確保するため、大規模な軍事演習などを行っていると述べた。日本はこのような情勢を懸念し、米国と行動を共にすることを求めている。
―――日本が防空識別圏を台湾側へと拡大したことは、中日軍事摩擦発生の可能性を大きく高めた。
ここでも触れられているとおり、中国側は与那国島に陸自部隊が駐屯することにも不満だ。

北沢防衛相が与那国島視察で陸自配備の検討を
表明したことは中国を刺激した
■「強盗」国家は正直だー日米の抑止力を憎む中国
国防大学の韓旭東副教授はこの駐屯問題に関し次のように述べている(中国評論新聞網、四月十六日)。
―――第一列島線は日米が冷戦時代に共同で構築した「封じ込め」ラインで、台湾は米国から第一列島線の鍵と看做されてきた。
―――日本が与那国島に軍を駐留させようと望むのは、米国の世界戦略上において台湾が占めるウエイトの下降と無関係ではない。海峡両岸関係の改善と緊密化により、米国が台湾を戦略上で利用できる空間は小さくなりつつある。
―――封じ込め戦略の上で台湾が発揮できる作用はますます限りが出てきた。そこで日米が台湾の「代替品」として見出したのが与那国島だ。
このように、「悪さ」を企む者は本当に正直だ。「台湾を侵略し、第一列島線への影響力を確保し、日米に対抗したい」との野心をはっきりと剥き出しにしている。
陸上部隊の派遣による与那国島に防衛強化を嫌うのは、「台湾への上陸作戦では、まず与那国島を占領し、拠点を構築する」との意図でもあるからだろう。
とにかく「強盗」は、治安を守る警察の「抑止力」を憎むものである。
■ADIZ放置を批判する琉球新報の「本音」とは
だが、ADIZ拡張に不満を表明したのは中国だけではなかった。何とそれによって国防上の利益を大きく享受すべき台湾もまた反発したのである。
これまで与那国島付近を西に向かうような軍用機の飛行を避けるなど、同島上空のADIZを無実化させてきた台湾だが、「事前に相談もなかった」との理由で、今回の日本側の措置を認めないとしているのだ。
一体台湾で何が起こったのか。一言で言えば「海峡両岸関係の改善」のためだろう。台中関係の「改善」とは、台湾が中国に「従属」することを意味しているのだ。
中国の前で国家の安全も主権も放棄するが如き在台中国人が主導する国民党政権の姿勢が、このような局面でも露呈した。「強盗」に散々脅されて、その「手下」に成り下がってしまったのだから、気の毒なのは罪もない台湾人だ。
そしてもう一つ、不満を抱いているのが沖縄の琉球新報である。
二十七日の社説で「日本の領空の一部が自国の防空圏に含まれていない異例の事態を41年間放置してきた政府の責任は重い」「まさに米軍占領の残滓だ」などと、ADIZ変更には一定の支持を表明している。いかにも反日、反米メディアらしい物言いだが、実はこの新聞社の本音は別のところにあるようだ。
■どこの国に「誤ったメッセージ」を送ったと言うか
次のように述べている。
―――台湾当局は、境界線が台湾寄りになることを「極めて遺憾」とし、防衛省の措置が一方的で受け入れられないとの立場を示している。
―――防衛省は今回の見直しに台湾側の了解は必要ないとの認識をしている。おかしな話だ。日本が一方的に境界を引き直したとしても、台湾側がそれに合わせて見直さなければ意味がない。
―――防衛省だけに任せるのではなく、外務省もこの問題に関与し、外交交渉を通じて双方納得のいく解決を求めたい。
台湾の意向も尊重しろ、と言っているようだが、実は最も言いたいのは次の部分だろう。
―――今回の防空識別圏の拡大が、検討中の与那国への陸上自衛隊配備と絡めて、日本の防衛強化の一環と受け止められたとすれば誤ったメッセージを送ったことになる。
社説はいったいどこの国に対して「誤ったメッセージを送った」と批判しているのか。
文脈から見れば「台湾」となりそうだが、台湾は「日本の防衛力強化」を自国に向けたものとの認識はない。
したがって、ここで言いたいのは「中国」だろう。あるいは「台湾の後の中国」と言うべきか。
■国防第一線で中国に従属するメディアは県民無視
実際に「与那国への陸上自衛隊配備と絡めて防空識別圏の拡大」を懸念しているのが、この「強盗」国家なのである。日本国内にも中国に「従属」する者がいた、と言うわけだ。しかも国防最前線である沖縄にだ。
外務省も台湾と「外交交渉」を、などと主張する社説だが、外務省が台湾政府と「外交交渉」を行えば、中国から「台湾を国家と認める気か」と圧力がかかるのは必至である。したがってそれは実現不可能なのだが、中国に「従属」する琉球新報がそれを知らないはずがない。
それを知った上で、無責任にもそう主張するのは、何が何でも日本の「抑止力」をなきものにしたいとの一心からなのだろう。

日本の対中抑止力を嫌うメディアの論調は無責任だ
民主党政権が一度、政府の陸自部隊の駐屯方針を撤回したとき、与那国町の外間守吉町長は「国を守ると言うなら有人島の我々をどうするのか。国境、国益の守り方をどうするか。(政府は)考えを持っていないと思える。無策だ」と嘆いていた。
琉球新報はこのような県民の切迫した危機感を一顧だにできないことだろう。こうした中国に「従属」するメディアの影響下で生きなければならない沖縄県民もまた気の毒。何が敵で何が味方かを知りようがない。
【過去の関連記事】
与那国上空「防空識別圏」変更を台湾に拒否させる中国
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1209.html
すでに中国の影響下―沖縄世論をミスリードする琉球新報
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1050.html
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台湾研究フォーラム 第136回定例会

■講師 永山英樹氏(台湾研究フォーラム会長)
■演題 東アジア安保から見た菅直人政権―「第一列島線」上に出現した危機的存在
いずれの勢力下に置くかの戦略上、米中が争う第一列島線。その線上に位置する日本で発足した菅直人政権。日米同盟重視の現実主義路線を掲げながらも、その一方で中国に屈従する思想、情念を包み隠せずにいる。国民はこれからも民主党政権の外交、安保政策上の迷走に売りまわされ続けるか。
講師略歴:(ながやま・ひでき)昭和36年、埼玉県生まれ。法政大学法学部法律学科卒。台湾は我が国の生命線、運命共同体であるとの見地から、日台関係の強化と正常化、台湾報道の正常化、台湾独立建国の支援、台湾国連加盟の支援等を訴える活動を展開している。著書に『日本の命運は台湾にあり』(まどか出版)。共著書に『台湾と日本交流秘話』(展転社)、『国士内田良平-その思想と行動』(展転社)、『シナ人とは何か』(展転社)。共訳書に『台湾国民中学歴史教科書・台湾を知る』(雄山閣)がある。台湾研究フォーラム会長、日本李登輝友の会理事、「頑張れ日本!全国行動委員会」常任幹事。
【日 時】 平成22年7月3日(土)午後6時~8時
【場 所】 文京シビックセンター 3F会議室 (※文京区民センターではありません)
JR「水道橋駅」徒歩10分、都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩2分
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
【参加費】 会員500円、一般1,000円
【懇親会】 終了後、会場付近にて。(会費3,000円、学生1,000円)
【申込み】 7月2日まで右記へ。E-mail:taiwan_kenkyu_forum@yahoo.co.jp
【問合せ】 090-4138-6397
■会員募集中―台湾は日本の生命線です。台湾建国、日台共栄の運動にぜひ参与を。年会費は2000円。定例会会場で受け付けます。
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7月4日「7・5ウルムチ虐殺一周年抗議デモ」案内

http://uyghur-j.org/news_20100704.html
今回のデモ行進は、2009年7月5日、中国ウイグル地域のウルムチで発生した「ウルムチ事件」から一年を迎えるにあたり、世界各国のウイグル人組織を統括する「世界ウイグル会議」が呼びかける「世界同時抗議」の一環としてのデモ行進です。
武装警察がウイグル人の平和的なデモ行進を武力鎮圧し、多くのウイグル人を殺害・逮捕、拘禁した「ウルムチ事件」から一年。これまでの間に、「容疑者」として逮捕・拘束されたウイグル人ら9人に死刑が執行されるという衝撃的な出来事が起こりました。そして、未だに多くのウイグル人が逮捕・拘禁の身となっているなど、「ウルムチ事件」は一年を経過した今も続いており、終わってはいません。
私達、日本ウイグル協会は、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める国際社会において、その名誉ある地位を占めたいと憲法で宣誓している日本国に居を構えております。
故に、日本ウイグル協会はその理念を遵守し、今回のデモ行進を通じ、中国政府や多くの方に以下のことを訴えて参ります。
・民族浄化政策下に置かれているウイグル人の境遇の改善
・容疑者として、現在も囚われの身になっているウイグル人の即時解放
・政治的中立な調査団の受け入れによる、事件の真相究明
さらには、中国政府に対し、中国国内で発生している人権問題を全面的に解決させ、ウイグル人や抑圧を受ける多くの人々に多様な自由が与えられない限り、 未来における中国の発展は断じて無いことを訴え、強い警告を発して参ります。
皆様のご賛同を頂ければ幸いです。何卒、宜しくお願い申し上げます。
[集合場所] 常盤橋公園
※地下鉄半蔵門線三越前駅から徒歩2分、大手町駅から徒歩4分、
銀座線三越前駅から徒歩5分、JR東京駅から徒歩6分
[日時] 平成22年7月4日(日) 集合開始 15:30
出発 16:00 解散 17:00
[コース予定] 常盤橋公園→八重洲中央口前→数寄屋橋→日航ホテル前右→日比谷公園解散
[主催] 特定非営利活動法人「日本ウイグル協会」 代表 イリハム・マハムティ
※お問合わせ HP:http://uyghur-j.org E-MAIL:info@uyghur-j.org
[協賛団体] チベット問題を考える会、モンゴル自由連盟党、内モンゴル人民党、台湾研究フォーラム、在日台湾人アジア人権問題研究会
※東トルキスタンの旗をイメージした水色の服やタオルなどを身に着けての参加を歓迎します。
※デモ行進で揚げる旗については、7・5ウルムチ事件に対して中国政府に抗議する立場であれば、どの民族支援の旗も、どの団体組織の旗でもご自由にお持ちください。
※当日は体調や天候に注意してご参加ください。沿道での見学、応援も歓迎します。
※マスコミなどに撮影されると個人的に問題がある方はマスクなどで顔を隠してご参加ください。
※デモ行進中に、何か問題が発生した場合はデモスタッフか警備の警察にすぐに連絡してください。
[禁止事項]
平和的な抗議行動です。ウイグル人のために過激な行動は起こさないようお願いいたします。
※警察やマスコミへの挑発行為。
※沿道の見学者や中国人観光客などへの挑発行為。
※拡声器を持ち込んでの勝手なシュプレヒコール。
※日本の政党や政治家、または候補者に関するプラカードの持参やシュプレヒコール。
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」
反中華覇権主義運動のさまざまな関連情報を配信中。
登録先・バックナンバー http://www.melma.com/backnumber_174014
台湾までわずか百十キロの地点に位置する日本の最西端の与那国島の東経百二十三度の上空には日台の防空識別圏(ADIZ)を区切るラインが引かれていた。
超音速の外国軍機が領空を侵犯すれば、領土上空に至るまで一分とかからない。そこで領空の外側空域にADIZを設定し、そこへ通報なしで侵入しようとする外国機にスクランブルをかけるわけだが、そのADIZが領土上空に設けられていたわけだ。
このような異常な状況は米軍が沖縄占領時代にもたらしたものだが、沖縄返還後も防衛庁(省)はそれを変更しなかった。
それには政府が中国への配慮で、台湾との政府間交渉を避けてきたとの状況もあった。ただ台湾は「準同盟国」とも呼べる友好国であったため、それでもほとんど支障がなかった。
しかしやはりこのままでは、島民は不安である。そこで防衛省は島や県の要望に応える形で六月二十五日、ADIZを島の上空の部分のみ、西側に十四海里(約二十六キロメートル)拡張させた。
他のADIZと同様、領空(領土から十二海里=二十二キロ)よりさらに二海里(三・七キロ)外の線までである。


だが今になって再設定を行ったのはなぜか。それは無害だった台湾以外に、有害な第三国が出てきたからではないか。もし今回の措置に関して不満を表明する国があるとしたら、「悪さ」を企んでいるのはきっとその国だ。
そして案の定、香港紙「大公報」(電子版)が二十八日、不満を綴った。
■与那国島への陸自駐屯にも不満の中国
そこにはこうある。日本新華僑報の記事を転載したものだ。
―――日本が防空識別圏を台湾側の海上にまで拡大したのは、台湾防衛の重任を担うために見える。
―――三月二十六日、北沢俊美防衛相は与那国島を視察した際、現地での自衛隊配備を積極的に検討すると述べた。日本が与那国島に駐兵を行うのは国家防衛のためだけでなく、剣を抜く形で実質的に日台関係を向上させたいと思っているからだ。
―――去年九月の就任以来、東アジア共同体の建設を高唱してきた鳩山首相だが、米軍基地とその抑止力を維持することとなった。
―――北沢氏は、中国は日本列島、沖縄、台湾を結ぶ第一列島線への影響力を確保するため、大規模な軍事演習などを行っていると述べた。日本はこのような情勢を懸念し、米国と行動を共にすることを求めている。
―――日本が防空識別圏を台湾側へと拡大したことは、中日軍事摩擦発生の可能性を大きく高めた。
ここでも触れられているとおり、中国側は与那国島に陸自部隊が駐屯することにも不満だ。

北沢防衛相が与那国島視察で陸自配備の検討を
表明したことは中国を刺激した
■「強盗」国家は正直だー日米の抑止力を憎む中国
国防大学の韓旭東副教授はこの駐屯問題に関し次のように述べている(中国評論新聞網、四月十六日)。
―――第一列島線は日米が冷戦時代に共同で構築した「封じ込め」ラインで、台湾は米国から第一列島線の鍵と看做されてきた。
―――日本が与那国島に軍を駐留させようと望むのは、米国の世界戦略上において台湾が占めるウエイトの下降と無関係ではない。海峡両岸関係の改善と緊密化により、米国が台湾を戦略上で利用できる空間は小さくなりつつある。
―――封じ込め戦略の上で台湾が発揮できる作用はますます限りが出てきた。そこで日米が台湾の「代替品」として見出したのが与那国島だ。
このように、「悪さ」を企む者は本当に正直だ。「台湾を侵略し、第一列島線への影響力を確保し、日米に対抗したい」との野心をはっきりと剥き出しにしている。
陸上部隊の派遣による与那国島に防衛強化を嫌うのは、「台湾への上陸作戦では、まず与那国島を占領し、拠点を構築する」との意図でもあるからだろう。
とにかく「強盗」は、治安を守る警察の「抑止力」を憎むものである。
■ADIZ放置を批判する琉球新報の「本音」とは
だが、ADIZ拡張に不満を表明したのは中国だけではなかった。何とそれによって国防上の利益を大きく享受すべき台湾もまた反発したのである。
これまで与那国島付近を西に向かうような軍用機の飛行を避けるなど、同島上空のADIZを無実化させてきた台湾だが、「事前に相談もなかった」との理由で、今回の日本側の措置を認めないとしているのだ。
一体台湾で何が起こったのか。一言で言えば「海峡両岸関係の改善」のためだろう。台中関係の「改善」とは、台湾が中国に「従属」することを意味しているのだ。
中国の前で国家の安全も主権も放棄するが如き在台中国人が主導する国民党政権の姿勢が、このような局面でも露呈した。「強盗」に散々脅されて、その「手下」に成り下がってしまったのだから、気の毒なのは罪もない台湾人だ。
そしてもう一つ、不満を抱いているのが沖縄の琉球新報である。
二十七日の社説で「日本の領空の一部が自国の防空圏に含まれていない異例の事態を41年間放置してきた政府の責任は重い」「まさに米軍占領の残滓だ」などと、ADIZ変更には一定の支持を表明している。いかにも反日、反米メディアらしい物言いだが、実はこの新聞社の本音は別のところにあるようだ。
■どこの国に「誤ったメッセージ」を送ったと言うか
次のように述べている。
―――台湾当局は、境界線が台湾寄りになることを「極めて遺憾」とし、防衛省の措置が一方的で受け入れられないとの立場を示している。
―――防衛省は今回の見直しに台湾側の了解は必要ないとの認識をしている。おかしな話だ。日本が一方的に境界を引き直したとしても、台湾側がそれに合わせて見直さなければ意味がない。
―――防衛省だけに任せるのではなく、外務省もこの問題に関与し、外交交渉を通じて双方納得のいく解決を求めたい。
台湾の意向も尊重しろ、と言っているようだが、実は最も言いたいのは次の部分だろう。
―――今回の防空識別圏の拡大が、検討中の与那国への陸上自衛隊配備と絡めて、日本の防衛強化の一環と受け止められたとすれば誤ったメッセージを送ったことになる。
社説はいったいどこの国に対して「誤ったメッセージを送った」と批判しているのか。
文脈から見れば「台湾」となりそうだが、台湾は「日本の防衛力強化」を自国に向けたものとの認識はない。
したがって、ここで言いたいのは「中国」だろう。あるいは「台湾の後の中国」と言うべきか。
■国防第一線で中国に従属するメディアは県民無視
実際に「与那国への陸上自衛隊配備と絡めて防空識別圏の拡大」を懸念しているのが、この「強盗」国家なのである。日本国内にも中国に「従属」する者がいた、と言うわけだ。しかも国防最前線である沖縄にだ。
外務省も台湾と「外交交渉」を、などと主張する社説だが、外務省が台湾政府と「外交交渉」を行えば、中国から「台湾を国家と認める気か」と圧力がかかるのは必至である。したがってそれは実現不可能なのだが、中国に「従属」する琉球新報がそれを知らないはずがない。
それを知った上で、無責任にもそう主張するのは、何が何でも日本の「抑止力」をなきものにしたいとの一心からなのだろう。

日本の対中抑止力を嫌うメディアの論調は無責任だ
民主党政権が一度、政府の陸自部隊の駐屯方針を撤回したとき、与那国町の外間守吉町長は「国を守ると言うなら有人島の我々をどうするのか。国境、国益の守り方をどうするか。(政府は)考えを持っていないと思える。無策だ」と嘆いていた。
琉球新報はこのような県民の切迫した危機感を一顧だにできないことだろう。こうした中国に「従属」するメディアの影響下で生きなければならない沖縄県民もまた気の毒。何が敵で何が味方かを知りようがない。
【過去の関連記事】
与那国上空「防空識別圏」変更を台湾に拒否させる中国
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1209.html
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台湾研究フォーラム 第136回定例会

■講師 永山英樹氏(台湾研究フォーラム会長)
■演題 東アジア安保から見た菅直人政権―「第一列島線」上に出現した危機的存在
いずれの勢力下に置くかの戦略上、米中が争う第一列島線。その線上に位置する日本で発足した菅直人政権。日米同盟重視の現実主義路線を掲げながらも、その一方で中国に屈従する思想、情念を包み隠せずにいる。国民はこれからも民主党政権の外交、安保政策上の迷走に売りまわされ続けるか。
講師略歴:(ながやま・ひでき)昭和36年、埼玉県生まれ。法政大学法学部法律学科卒。台湾は我が国の生命線、運命共同体であるとの見地から、日台関係の強化と正常化、台湾報道の正常化、台湾独立建国の支援、台湾国連加盟の支援等を訴える活動を展開している。著書に『日本の命運は台湾にあり』(まどか出版)。共著書に『台湾と日本交流秘話』(展転社)、『国士内田良平-その思想と行動』(展転社)、『シナ人とは何か』(展転社)。共訳書に『台湾国民中学歴史教科書・台湾を知る』(雄山閣)がある。台湾研究フォーラム会長、日本李登輝友の会理事、「頑張れ日本!全国行動委員会」常任幹事。
【日 時】 平成22年7月3日(土)午後6時~8時
【場 所】 文京シビックセンター 3F会議室 (※文京区民センターではありません)
JR「水道橋駅」徒歩10分、都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩2分
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
【参加費】 会員500円、一般1,000円
【懇親会】 終了後、会場付近にて。(会費3,000円、学生1,000円)
【申込み】 7月2日まで右記へ。E-mail:taiwan_kenkyu_forum@yahoo.co.jp
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7月4日「7・5ウルムチ虐殺一周年抗議デモ」案内

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今回のデモ行進は、2009年7月5日、中国ウイグル地域のウルムチで発生した「ウルムチ事件」から一年を迎えるにあたり、世界各国のウイグル人組織を統括する「世界ウイグル会議」が呼びかける「世界同時抗議」の一環としてのデモ行進です。
武装警察がウイグル人の平和的なデモ行進を武力鎮圧し、多くのウイグル人を殺害・逮捕、拘禁した「ウルムチ事件」から一年。これまでの間に、「容疑者」として逮捕・拘束されたウイグル人ら9人に死刑が執行されるという衝撃的な出来事が起こりました。そして、未だに多くのウイグル人が逮捕・拘禁の身となっているなど、「ウルムチ事件」は一年を経過した今も続いており、終わってはいません。
私達、日本ウイグル協会は、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める国際社会において、その名誉ある地位を占めたいと憲法で宣誓している日本国に居を構えております。
故に、日本ウイグル協会はその理念を遵守し、今回のデモ行進を通じ、中国政府や多くの方に以下のことを訴えて参ります。
・民族浄化政策下に置かれているウイグル人の境遇の改善
・容疑者として、現在も囚われの身になっているウイグル人の即時解放
・政治的中立な調査団の受け入れによる、事件の真相究明
さらには、中国政府に対し、中国国内で発生している人権問題を全面的に解決させ、ウイグル人や抑圧を受ける多くの人々に多様な自由が与えられない限り、 未来における中国の発展は断じて無いことを訴え、強い警告を発して参ります。
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[集合場所] 常盤橋公園
※地下鉄半蔵門線三越前駅から徒歩2分、大手町駅から徒歩4分、
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[日時] 平成22年7月4日(日) 集合開始 15:30
出発 16:00 解散 17:00
[コース予定] 常盤橋公園→八重洲中央口前→数寄屋橋→日航ホテル前右→日比谷公園解散
[主催] 特定非営利活動法人「日本ウイグル協会」 代表 イリハム・マハムティ
※お問合わせ HP:http://uyghur-j.org E-MAIL:info@uyghur-j.org
[協賛団体] チベット問題を考える会、モンゴル自由連盟党、内モンゴル人民党、台湾研究フォーラム、在日台湾人アジア人権問題研究会
※東トルキスタンの旗をイメージした水色の服やタオルなどを身に着けての参加を歓迎します。
※デモ行進で揚げる旗については、7・5ウルムチ事件に対して中国政府に抗議する立場であれば、どの民族支援の旗も、どの団体組織の旗でもご自由にお持ちください。
※当日は体調や天候に注意してご参加ください。沿道での見学、応援も歓迎します。
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平和的な抗議行動です。ウイグル人のために過激な行動は起こさないようお願いいたします。
※警察やマスコミへの挑発行為。
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