「台湾陥落」の危機!台北で李登輝氏らが大規模デモ―ECFA「経済統一」に反対叫び
2010/06/28/Mon
■台湾の主権を否定する経済協力協定が29日に締結
台湾では六月二十六日、台北で大規模デモ(高雄でも)。国民党政権が二十九日に中国との間で経済協力枠組み協定(ECFA)を締結することに反対するためだ。
台北では大規模な反ECFAデモ行進が行われ、二つの大隊がそれぞれ総統府前広場を目指した
ECFAとは台中間の自由貿易協定(FTA)のことだ。ただしFTAは国家間で結ぶもの。台中は国家同士ではなく、「一つの中国」下の台湾地域と大陸地域地域であるとの理屈で、わざわざそのような名称を用いるのだ。
つまり国民党政権はすでに「台湾は中国には隷属しない主権国家である」との事実を否定しているのである。もちろんそれは中国の要望に従ったものだ。
ECFAは馬英九総統による中国との「和解」政策の一つの仕上げであるが、そもそもあの国と「和解」するには、台湾自らが「一つの中国」を承認することが条件となっていた。
台湾では李登輝総統時代以来、「一つの中国」の虚構は事実上否定されてきた。そこで中国はそれを「台湾独立の動き」だとして文攻武嚇を展開してきたわけだが、馬英九総統は就任後、「一つの中国」を認めた。
中国人である彼はそうすることに何のためらいもなかった。
■胡錦濤主席のシナリオに従って動く馬英九総統
もっとも「和解」とは言っても中国は、「統一」(台湾併呑)を果たすまで、台湾に照準を合わせたミサイルの増強を断じてやめない。したがって「和解」とは、台湾が一方的に中国に対し「抵抗をやめること」を意味している。
そして抵抗をやめ、徐々に中国の「統一」磁力に引っ張られる過程で締結されるのが、ECFAなのだ。
国民党政権が発足した〇八年の暮、中国では胡錦濤主席が演説を行い、対台湾関係の「平和的発展」のための「六つの意見」(胡六点)を提示した。

講演で台湾に統一を呼びかける胡錦濤主席(08年12月31日)
それは、①「一つの中国」を守り、政治面での相互信頼を増進する、②経済協力を推進し、共同繁栄を促進する、③中華文化を宣揚し、精神的紐帯を強める、④人員往来を強め、各界交流を広げる、⑤国家主権(台湾を含む中国の主権)を守り、対外事務で協力する、⑥敵対状態を終結させ、平和協議を達成する。
この演説の中で、「平和」に言及したのは四十八回。そこで国民党政権は中国側の「新思考」などと称えたが、それは敗北主義ゆえの誤りである。
演説ではさらに「一つの中国」を七回、「統一」を二十五回、「一国二制度」を三回、「同胞」を五十回、「祖国」を十六回も繰り返されている。これを見てもわかるように、台湾併呑と言う対外侵略の野望は、これまでと何も変わっていない。
さて「六点」のうち、①、③~⑤については、台中が目下推進中だ。そして②にあたるのが、ほかならぬECFAである。
■馬英九総統は中国への「降伏」を表明していた
つまり中国は「先に経済、後に政治」「経済を表舞台に、政治を幕後に」「経済を以って統一を促進する」との原則の下、「政治統一」の準備段階としての「経済統一」の手段と位置づけているのだ。市場の一体化で台湾の中国への経済依存度を高めさせ、その首根っこを摑もうと言う戦略なのだ。
こうした統一戦線工作(籠絡工作)について、軍事力での台湾問題解決を主張する梁光烈国防部長はかつて「意味がない」と批判した。「台湾がアジアの四小竜の一つになったのは自己の能力に頼っているからだ」と。しかしこれに対して温家宝首相はこう答えた。「台湾はかつて政治と精神の面で自信があった。しかし今は違う」と。
こうした中国側の「統一」陰謀に馬英九総統が乗ってしまうのは、彼自身が「統一」を求めているからだ。在台中国人である彼は、台湾人のために「祖国」と危険な争いを展開する気持ちはないのだろう。
ミサイルを向ける中国の前における馬英九総統の政策指針は、「統一せず、独立せず、武力行使せず」。つまり「抵抗せず」と言うことだ。そして「抵抗しない」と言うことは、「いずれ降伏する」との意味だ。
■台湾世論を無視―住民投票も拒否した国民党政権
馬英九総統はこれまでひたすら、国民に対して「台湾は成長著しい中国市場抜きでは生きて行けない」などと、ECFAの意義を訴えてきた。
そしてこれまでの対中国政策を「非開放的」「鎖国」だったと批判するのだが、それは現状を無視した宣伝である。
実際には九八年から〇八年までの間、中国への直接投資額(香港などを経由した間接投資額を含まず)は累計で一千六百六十五・二六億ドル、台湾企業の輸出総額は一兆九千六百五十三億ドルで、同時期の中国の貿易総額の一三・八七%をも占めている。だが在台中国人主導の国民党政権にとって、実際の状況などはどうでもいい。
ECFAによって国内での失業者増大、貧富の格差拡大は必至との訴えも無視し、「貿易自由化により台湾企業の競争力が高まる」「すでに中国とASEANのFTAが発効し、日韓国がこれに続けば、台湾は孤立する」の一点張りだ。
これほどの重大問題は住民投票で決めるべき、とする世論を背景に、台湾団結連盟はECF
Aの賛否を問う住民投票案を提出。ところが行政院住民投票審議委員は六月三日に審議を行い、これを否決した。

李登輝氏を精神的指導者と仰ぐ台湾団結連盟はECF
Aを民意で阻止すべく住民投票案を提出した。写真は
黄昆輝主席

住民投票を求める民進党のポスター
もし可決すれば投票は実施され、ECFAに「反対」は「賛成」を上回った可能性が高かった。そこで国民党政権は審議委員会に圧力をかけたと報じられている。

住民投票審議委員会では厳重警備。民進党の議員たち
が警察によって隔離された
■李登輝氏が「馬英九に総統の資格なし」と怒り
そこでこれを受け、民進党は国民の反対の声を轟かせるため、抗議の大デモ行進を発動したのである。
台北のデモには全国から駆けつけた十五万人(民進党発表)が参加。ECFAで打撃を受けることとなる製造業や農業関係者も大勢加わり、「一中市場反対、住民投票を」「失業反対、困った人たちを救え」などと叫んだ。

民進党のリーダーたちや、李登輝元総統ら独立派、本土派のリーダーたちも顔をそろえ、デモ隊の先頭を歩いた。
デモ行進終了後の総統府前における集会は、折から降り出した大雨の中で行われた。八十七歳の体を押して群集と歩いた李登輝氏が舞台に立ち、十分間も演説した。
「ECFAは中国を中心にしようとの陰謀。台湾への影響は測りきれない。しかし馬政権は台湾人民の声を聞かず、住民投票も拒否し、自分たちだけで北京と調印しようとしている」「馬英九には台湾総統の資格はない」と非難。「民意を重視しない政府には、みなで最後まで反対しよう」と訴え、激昂した群集の拍手、喝采を浴びた。

大雨の中、演説を行った李登輝氏。馬英九総統を痛罵した
この日の参加者数に関しては、民進党が主張する「十五万人」に対し、警察は「三万人」と発表。そこで「わずか三万人」と強調する国内メディアも。反対意見の封殺を続ける政権側は、このようなところでも「情報操作」を怠らなかった。
■台湾と中国の「平和協定」の恐ろしさと日本のあるべき対応
先頃も海外メディアとの会見で「平和協議での調印の可能性を排除しない」と述べた馬英九総統。これが中国側から賞賛されたのは言うまでもない。ECFAで台中市場の一体化の目処が付けば、あとは「胡六点」で残るのは「平和協議の達成」だけだからだ。
これについては「平和」の二文字に惑わされてはならない。
繰り返すが中国は、今でも台湾に向けたミサイルを増強中だ。その数、すでに千四百基を超えているとされる。一年間で百基(三日に一基)増加のペースである。
これに対して台湾は専守防衛の国である。しかも総統は「武力行使せず」とも言明している。
このような両国が締結する「平和協定」など、台湾の降伏協定以外のものにはあり得ない。そもそも中国が「平和」を約束するのは、台湾が「統一」を受け入れるとき以外にないのである。

中国との和平は降伏して初めて達成される
台湾の多くの人々が、この平和協定で想起しているのが、五一年のチベットと中国との十七ヶ条の平和協定だ。軍事圧力の下でチベットの「地方政府」が調印を強要されたと同様、台湾の「地方政府」も調印するのだろうか。そして調印後はチベット人と同様、台湾人も弾圧、虐殺を受けるのだろうか。
民進党は今年十一月の五大都市首長選挙で勝利し、一二年の総統選挙を有利に運ぶと言う構えだ。だが仮に政権奪還に成功しても、ECFAによる「一中市場」への転落状況から這い上がるのは並大抵のことではない。
このように台湾は、「陥落」へと向かっている情勢なのである。
もはや背水の陣とも言える台湾人民の、国家防衛の戦いでの勢力挽回を祈らないわけにはいかない。
そして日本人も、孤立無援の台湾人民に激励の声を。なぜなら「台湾陥落」の後に来るのは「日本陥落」だから。中国の膨張の前で日台が一蓮托生であることを忘れてはならない。
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台湾研究フォーラム 第136回定例会

■講師 永山英樹氏(台湾研究フォーラム会長)
■演題 東アジア安保から見た菅直人政権―「第一列島線」上に出現した危機的存在
いずれの勢力下に置くかの戦略上、米中が争う第一列島線。その線上に位置する日本で発足した菅直人政権。日米同盟重視の現実主義路線を掲げながらも、その一方で中国に屈従する思想、情念を包み隠せずにいる。国民はこれからも民主党政権の外交、安保政策上の迷走に売りまわされ続けるか。
講師略歴:(ながやま・ひでき)昭和36年、埼玉県生まれ。法政大学法学部法律学科卒。台湾は我が国の生命線、運命共同体であるとの見地から、日台関係の強化と正常化、台湾報道の正常化、台湾独立建国の支援、台湾国連加盟の支援等を訴える活動を展開している。著書に『日本の命運は台湾にあり』(まどか出版)。共著書に『台湾と日本交流秘話』(展転社)、『国士内田良平-その思想と行動』(展転社)、『シナ人とは何か』(展転社)。共訳書に『台湾国民中学歴史教科書・台湾を知る』(雄山閣)がある。台湾研究フォーラム会長、日本李登輝友の会理事、「頑張れ日本!全国行動委員会」常任幹事。
【日 時】 平成22年7月3日(土)午後6時~8時
【場 所】 文京シビックセンター 3F会議室 (※文京区民センターではありません)
JR「水道橋駅」徒歩10分、都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩2分
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
【参加費】 会員500円、一般1,000円
【懇親会】 終了後、会場付近にて。(会費3,000円、学生1,000円)
【申込み】 7月2日まで右記へ。E-mail:taiwan_kenkyu_forum@yahoo.co.jp
【問合せ】 090-4138-6397
■会員募集中―台湾は日本の生命線です。台湾建国、日台共栄の運動にぜひ参与を。年会費は2000円。定例会会場で受け付けます。
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7月4日「7・5ウルムチ虐殺一周年抗議デモ」案内

http://uyghur-j.org/news_20100704.html
今回のデモ行進は、2009年7月5日、中国ウイグル地域のウルムチで発生した「ウルムチ事件」から一年を迎えるにあたり、世界各国のウイグル人組織を統括する「世界ウイグル会議」が呼びかける「世界同時抗議」の一環としてのデモ行進です。
武装警察がウイグル人の平和的なデモ行進を武力鎮圧し、多くのウイグル人を殺害・逮捕、拘禁した「ウルムチ事件」から一年。これまでの間に、「容疑者」として逮捕・拘束されたウイグル人ら9人に死刑が執行されるという衝撃的な出来事が起こりました。そして、未だに多くのウイグル人が逮捕・拘禁の身となっているなど、「ウルムチ事件」は一年を経過した今も続いており、終わってはいません。
私達、日本ウイグル協会は、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める国際社会において、その名誉ある地位を占めたいと憲法で宣誓している日本国に居を構えております。
故に、日本ウイグル協会はその理念を遵守し、今回のデモ行進を通じ、中国政府や多くの方に以下のことを訴えて参ります。
・民族浄化政策下に置かれているウイグル人の境遇の改善
・容疑者として、現在も囚われの身になっているウイグル人の即時解放
・政治的中立な調査団の受け入れによる、事件の真相究明
さらには、中国政府に対し、中国国内で発生している人権問題を全面的に解決させ、ウイグル人や抑圧を受ける多くの人々に多様な自由が与えられない限り、 未来における中国の発展は断じて無いことを訴え、強い警告を発して参ります。
皆様のご賛同を頂ければ幸いです。何卒、宜しくお願い申し上げます。
[集合場所] 常盤橋公園
※地下鉄半蔵門線三越前駅から徒歩2分、大手町駅から徒歩4分、
銀座線三越前駅から徒歩5分、JR東京駅から徒歩6分
[日時] 平成22年7月4日(日) 集合開始 15:30
出発 16:00 解散 17:00
[コース予定] 常盤橋公園→八重洲中央口前→数寄屋橋→日航ホテル前右→日比谷公園解散
[主催] 特定非営利活動法人「日本ウイグル協会」 代表 イリハム・マハムティ
※お問合わせ HP:http://uyghur-j.org E-MAIL:info@uyghur-j.org
[協賛団体] チベット問題を考える会、モンゴル自由連盟党、内モンゴル人民党、台湾研究フォーラム、在日台湾人アジア人権問題研究会
※東トルキスタンの旗をイメージした水色の服やタオルなどを身に着けての参加を歓迎します。
※デモ行進で揚げる旗については、7・5ウルムチ事件に対して中国政府に抗議する立場であれば、どの民族支援の旗も、どの団体組織の旗でもご自由にお持ちください。
※当日は体調や天候に注意してご参加ください。沿道での見学、応援も歓迎します。
※マスコミなどに撮影されると個人的に問題がある方はマスクなどで顔を隠してご参加ください。
※デモ行進中に、何か問題が発生した場合はデモスタッフか警備の警察にすぐに連絡してください。
[禁止事項]
平和的な抗議行動です。ウイグル人のために過激な行動は起こさないようお願いいたします。
※警察やマスコミへの挑発行為。
※沿道の見学者や中国人観光客などへの挑発行為。
※拡声器を持ち込んでの勝手なシュプレヒコール。
※日本の政党や政治家、または候補者に関するプラカードの持参やシュプレヒコール。
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」
反中華覇権主義運動のさまざまな関連情報を配信中。
登録先・バックナンバー http://www.melma.com/backnumber_174014
台湾では六月二十六日、台北で大規模デモ(高雄でも)。国民党政権が二十九日に中国との間で経済協力枠組み協定(ECFA)を締結することに反対するためだ。


台北では大規模な反ECFAデモ行進が行われ、二つの大隊がそれぞれ総統府前広場を目指した
ECFAとは台中間の自由貿易協定(FTA)のことだ。ただしFTAは国家間で結ぶもの。台中は国家同士ではなく、「一つの中国」下の台湾地域と大陸地域地域であるとの理屈で、わざわざそのような名称を用いるのだ。
つまり国民党政権はすでに「台湾は中国には隷属しない主権国家である」との事実を否定しているのである。もちろんそれは中国の要望に従ったものだ。
ECFAは馬英九総統による中国との「和解」政策の一つの仕上げであるが、そもそもあの国と「和解」するには、台湾自らが「一つの中国」を承認することが条件となっていた。
台湾では李登輝総統時代以来、「一つの中国」の虚構は事実上否定されてきた。そこで中国はそれを「台湾独立の動き」だとして文攻武嚇を展開してきたわけだが、馬英九総統は就任後、「一つの中国」を認めた。
中国人である彼はそうすることに何のためらいもなかった。
■胡錦濤主席のシナリオに従って動く馬英九総統
もっとも「和解」とは言っても中国は、「統一」(台湾併呑)を果たすまで、台湾に照準を合わせたミサイルの増強を断じてやめない。したがって「和解」とは、台湾が一方的に中国に対し「抵抗をやめること」を意味している。
そして抵抗をやめ、徐々に中国の「統一」磁力に引っ張られる過程で締結されるのが、ECFAなのだ。
国民党政権が発足した〇八年の暮、中国では胡錦濤主席が演説を行い、対台湾関係の「平和的発展」のための「六つの意見」(胡六点)を提示した。

講演で台湾に統一を呼びかける胡錦濤主席(08年12月31日)
それは、①「一つの中国」を守り、政治面での相互信頼を増進する、②経済協力を推進し、共同繁栄を促進する、③中華文化を宣揚し、精神的紐帯を強める、④人員往来を強め、各界交流を広げる、⑤国家主権(台湾を含む中国の主権)を守り、対外事務で協力する、⑥敵対状態を終結させ、平和協議を達成する。
この演説の中で、「平和」に言及したのは四十八回。そこで国民党政権は中国側の「新思考」などと称えたが、それは敗北主義ゆえの誤りである。
演説ではさらに「一つの中国」を七回、「統一」を二十五回、「一国二制度」を三回、「同胞」を五十回、「祖国」を十六回も繰り返されている。これを見てもわかるように、台湾併呑と言う対外侵略の野望は、これまでと何も変わっていない。
さて「六点」のうち、①、③~⑤については、台中が目下推進中だ。そして②にあたるのが、ほかならぬECFAである。
■馬英九総統は中国への「降伏」を表明していた
つまり中国は「先に経済、後に政治」「経済を表舞台に、政治を幕後に」「経済を以って統一を促進する」との原則の下、「政治統一」の準備段階としての「経済統一」の手段と位置づけているのだ。市場の一体化で台湾の中国への経済依存度を高めさせ、その首根っこを摑もうと言う戦略なのだ。
こうした統一戦線工作(籠絡工作)について、軍事力での台湾問題解決を主張する梁光烈国防部長はかつて「意味がない」と批判した。「台湾がアジアの四小竜の一つになったのは自己の能力に頼っているからだ」と。しかしこれに対して温家宝首相はこう答えた。「台湾はかつて政治と精神の面で自信があった。しかし今は違う」と。
こうした中国側の「統一」陰謀に馬英九総統が乗ってしまうのは、彼自身が「統一」を求めているからだ。在台中国人である彼は、台湾人のために「祖国」と危険な争いを展開する気持ちはないのだろう。
ミサイルを向ける中国の前における馬英九総統の政策指針は、「統一せず、独立せず、武力行使せず」。つまり「抵抗せず」と言うことだ。そして「抵抗しない」と言うことは、「いずれ降伏する」との意味だ。
■台湾世論を無視―住民投票も拒否した国民党政権
馬英九総統はこれまでひたすら、国民に対して「台湾は成長著しい中国市場抜きでは生きて行けない」などと、ECFAの意義を訴えてきた。
そしてこれまでの対中国政策を「非開放的」「鎖国」だったと批判するのだが、それは現状を無視した宣伝である。
実際には九八年から〇八年までの間、中国への直接投資額(香港などを経由した間接投資額を含まず)は累計で一千六百六十五・二六億ドル、台湾企業の輸出総額は一兆九千六百五十三億ドルで、同時期の中国の貿易総額の一三・八七%をも占めている。だが在台中国人主導の国民党政権にとって、実際の状況などはどうでもいい。
ECFAによって国内での失業者増大、貧富の格差拡大は必至との訴えも無視し、「貿易自由化により台湾企業の競争力が高まる」「すでに中国とASEANのFTAが発効し、日韓国がこれに続けば、台湾は孤立する」の一点張りだ。
これほどの重大問題は住民投票で決めるべき、とする世論を背景に、台湾団結連盟はECF
Aの賛否を問う住民投票案を提出。ところが行政院住民投票審議委員は六月三日に審議を行い、これを否決した。

李登輝氏を精神的指導者と仰ぐ台湾団結連盟はECF
Aを民意で阻止すべく住民投票案を提出した。写真は
黄昆輝主席

住民投票を求める民進党のポスター
もし可決すれば投票は実施され、ECFAに「反対」は「賛成」を上回った可能性が高かった。そこで国民党政権は審議委員会に圧力をかけたと報じられている。

住民投票審議委員会では厳重警備。民進党の議員たち
が警察によって隔離された
■李登輝氏が「馬英九に総統の資格なし」と怒り
そこでこれを受け、民進党は国民の反対の声を轟かせるため、抗議の大デモ行進を発動したのである。
台北のデモには全国から駆けつけた十五万人(民進党発表)が参加。ECFAで打撃を受けることとなる製造業や農業関係者も大勢加わり、「一中市場反対、住民投票を」「失業反対、困った人たちを救え」などと叫んだ。


民進党のリーダーたちや、李登輝元総統ら独立派、本土派のリーダーたちも顔をそろえ、デモ隊の先頭を歩いた。
デモ行進終了後の総統府前における集会は、折から降り出した大雨の中で行われた。八十七歳の体を押して群集と歩いた李登輝氏が舞台に立ち、十分間も演説した。
「ECFAは中国を中心にしようとの陰謀。台湾への影響は測りきれない。しかし馬政権は台湾人民の声を聞かず、住民投票も拒否し、自分たちだけで北京と調印しようとしている」「馬英九には台湾総統の資格はない」と非難。「民意を重視しない政府には、みなで最後まで反対しよう」と訴え、激昂した群集の拍手、喝采を浴びた。

大雨の中、演説を行った李登輝氏。馬英九総統を痛罵した
この日の参加者数に関しては、民進党が主張する「十五万人」に対し、警察は「三万人」と発表。そこで「わずか三万人」と強調する国内メディアも。反対意見の封殺を続ける政権側は、このようなところでも「情報操作」を怠らなかった。
■台湾と中国の「平和協定」の恐ろしさと日本のあるべき対応
先頃も海外メディアとの会見で「平和協議での調印の可能性を排除しない」と述べた馬英九総統。これが中国側から賞賛されたのは言うまでもない。ECFAで台中市場の一体化の目処が付けば、あとは「胡六点」で残るのは「平和協議の達成」だけだからだ。
これについては「平和」の二文字に惑わされてはならない。
繰り返すが中国は、今でも台湾に向けたミサイルを増強中だ。その数、すでに千四百基を超えているとされる。一年間で百基(三日に一基)増加のペースである。
これに対して台湾は専守防衛の国である。しかも総統は「武力行使せず」とも言明している。
このような両国が締結する「平和協定」など、台湾の降伏協定以外のものにはあり得ない。そもそも中国が「平和」を約束するのは、台湾が「統一」を受け入れるとき以外にないのである。

中国との和平は降伏して初めて達成される
台湾の多くの人々が、この平和協定で想起しているのが、五一年のチベットと中国との十七ヶ条の平和協定だ。軍事圧力の下でチベットの「地方政府」が調印を強要されたと同様、台湾の「地方政府」も調印するのだろうか。そして調印後はチベット人と同様、台湾人も弾圧、虐殺を受けるのだろうか。
民進党は今年十一月の五大都市首長選挙で勝利し、一二年の総統選挙を有利に運ぶと言う構えだ。だが仮に政権奪還に成功しても、ECFAによる「一中市場」への転落状況から這い上がるのは並大抵のことではない。
このように台湾は、「陥落」へと向かっている情勢なのである。
もはや背水の陣とも言える台湾人民の、国家防衛の戦いでの勢力挽回を祈らないわけにはいかない。
そして日本人も、孤立無援の台湾人民に激励の声を。なぜなら「台湾陥落」の後に来るのは「日本陥落」だから。中国の膨張の前で日台が一蓮托生であることを忘れてはならない。
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台湾研究フォーラム 第136回定例会

■講師 永山英樹氏(台湾研究フォーラム会長)
■演題 東アジア安保から見た菅直人政権―「第一列島線」上に出現した危機的存在
いずれの勢力下に置くかの戦略上、米中が争う第一列島線。その線上に位置する日本で発足した菅直人政権。日米同盟重視の現実主義路線を掲げながらも、その一方で中国に屈従する思想、情念を包み隠せずにいる。国民はこれからも民主党政権の外交、安保政策上の迷走に売りまわされ続けるか。
講師略歴:(ながやま・ひでき)昭和36年、埼玉県生まれ。法政大学法学部法律学科卒。台湾は我が国の生命線、運命共同体であるとの見地から、日台関係の強化と正常化、台湾報道の正常化、台湾独立建国の支援、台湾国連加盟の支援等を訴える活動を展開している。著書に『日本の命運は台湾にあり』(まどか出版)。共著書に『台湾と日本交流秘話』(展転社)、『国士内田良平-その思想と行動』(展転社)、『シナ人とは何か』(展転社)。共訳書に『台湾国民中学歴史教科書・台湾を知る』(雄山閣)がある。台湾研究フォーラム会長、日本李登輝友の会理事、「頑張れ日本!全国行動委員会」常任幹事。
【日 時】 平成22年7月3日(土)午後6時~8時
【場 所】 文京シビックセンター 3F会議室 (※文京区民センターではありません)
JR「水道橋駅」徒歩10分、都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩2分
東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
【参加費】 会員500円、一般1,000円
【懇親会】 終了後、会場付近にて。(会費3,000円、学生1,000円)
【申込み】 7月2日まで右記へ。E-mail:taiwan_kenkyu_forum@yahoo.co.jp
【問合せ】 090-4138-6397
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7月4日「7・5ウルムチ虐殺一周年抗議デモ」案内

http://uyghur-j.org/news_20100704.html
今回のデモ行進は、2009年7月5日、中国ウイグル地域のウルムチで発生した「ウルムチ事件」から一年を迎えるにあたり、世界各国のウイグル人組織を統括する「世界ウイグル会議」が呼びかける「世界同時抗議」の一環としてのデモ行進です。
武装警察がウイグル人の平和的なデモ行進を武力鎮圧し、多くのウイグル人を殺害・逮捕、拘禁した「ウルムチ事件」から一年。これまでの間に、「容疑者」として逮捕・拘束されたウイグル人ら9人に死刑が執行されるという衝撃的な出来事が起こりました。そして、未だに多くのウイグル人が逮捕・拘禁の身となっているなど、「ウルムチ事件」は一年を経過した今も続いており、終わってはいません。
私達、日本ウイグル協会は、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める国際社会において、その名誉ある地位を占めたいと憲法で宣誓している日本国に居を構えております。
故に、日本ウイグル協会はその理念を遵守し、今回のデモ行進を通じ、中国政府や多くの方に以下のことを訴えて参ります。
・民族浄化政策下に置かれているウイグル人の境遇の改善
・容疑者として、現在も囚われの身になっているウイグル人の即時解放
・政治的中立な調査団の受け入れによる、事件の真相究明
さらには、中国政府に対し、中国国内で発生している人権問題を全面的に解決させ、ウイグル人や抑圧を受ける多くの人々に多様な自由が与えられない限り、 未来における中国の発展は断じて無いことを訴え、強い警告を発して参ります。
皆様のご賛同を頂ければ幸いです。何卒、宜しくお願い申し上げます。
[集合場所] 常盤橋公園
※地下鉄半蔵門線三越前駅から徒歩2分、大手町駅から徒歩4分、
銀座線三越前駅から徒歩5分、JR東京駅から徒歩6分
[日時] 平成22年7月4日(日) 集合開始 15:30
出発 16:00 解散 17:00
[コース予定] 常盤橋公園→八重洲中央口前→数寄屋橋→日航ホテル前右→日比谷公園解散
[主催] 特定非営利活動法人「日本ウイグル協会」 代表 イリハム・マハムティ
※お問合わせ HP:http://uyghur-j.org E-MAIL:info@uyghur-j.org
[協賛団体] チベット問題を考える会、モンゴル自由連盟党、内モンゴル人民党、台湾研究フォーラム、在日台湾人アジア人権問題研究会
※東トルキスタンの旗をイメージした水色の服やタオルなどを身に着けての参加を歓迎します。
※デモ行進で揚げる旗については、7・5ウルムチ事件に対して中国政府に抗議する立場であれば、どの民族支援の旗も、どの団体組織の旗でもご自由にお持ちください。
※当日は体調や天候に注意してご参加ください。沿道での見学、応援も歓迎します。
※マスコミなどに撮影されると個人的に問題がある方はマスクなどで顔を隠してご参加ください。
※デモ行進中に、何か問題が発生した場合はデモスタッフか警備の警察にすぐに連絡してください。
[禁止事項]
平和的な抗議行動です。ウイグル人のために過激な行動は起こさないようお願いいたします。
※警察やマスコミへの挑発行為。
※沿道の見学者や中国人観光客などへの挑発行為。
※拡声器を持ち込んでの勝手なシュプレヒコール。
※日本の政党や政治家、または候補者に関するプラカードの持参やシュプレヒコール。
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