千玄室氏は「平和の心」で「日中交流ボイコット」を
2010/06/15/Tue
■温家宝に「平和」と説くなら「フリーチベット」
五月三十日、来日した中国の温家宝首相から「中日友好貢献賞」授与の栄誉に浴した裏千家前家元の千玄室氏。翌日には文化人との座談会にも招かれ、同首相と懇談しているが、中共機関紙人民日報(電子版)は、そのときの千氏の様子をこう伝える。
「銀髪の千玄室先生は灰色の和服を着て飄逸とした表情。すでに百回以上訪中している先生は日本茶道会の対中友好交流を開いた先駆者だ」

温家宝首相から「中日友好貢献賞」を授かった千玄室氏
そして次のような温家宝氏との会話も。
千玄室――かつて小平先生に献茶したとき、「茶のルーツは中国だが茶道は日本で盛んになった。茶道で重要なのは平和の心だ」と強調された。両国文化の共通文化は大切にされたい。
温家宝――(頷きながら)茶は中国をルーツとするとともに平和の象徴だ。蚕糸もそうだ。かつて徐福も鄭和も航海で茶と蚕糸を持ち出し、平和と友情を伝えた。
千玄室――残念ながら本日は総理に献茶するチャンスはない。
このとき「その場に居合わせた人々は中日友好交流の美しい情感の中に浸った」そうだ。
人民日報はそう書いて、読者に平和への感動を促すのだが、心ある日本人なら、こんなものに感動などできない。
「茶道で重要なのは平和の心」と語った千氏は、「貴国のチベット、ウイグル弾圧政策は平和に反する」とは言わなかったのか。あるいは「台湾侵略は止めよ」「日本恫喝は止めよ」とは求めなかったのか。
そもそも「フリーチベット」を言えるほどの人物なら、「中日友好貢献賞」などは与えられないだろう。
■産経掲載の「一服どうぞ」が感心できない理由
もちろん儀礼上、そのような非難をしたいと思っても不可能ではある。また長年中国との間で積み重ねてきた文化交流への「友好貢献」を軽々しく否定することもできない。
しかしあまり感心できないのは、千氏が産経新聞に掲載するコラム「一服どうぞ」だ。なぜなら同氏のそうした姿勢が、こうしたところでも表れ、読む者に悪影響を与えかねないからである。
〇八年七月六日掲載の「人馬一体で友好の祭典へ」は北京五輪への協力を呼びかける内容だった。
中国ではチベット「暴動」問題などの難問を抱えているが、「中国は何としてでもこれを成功させなければ、国としての面子が立たないし、一党独裁の政治力が失墜する恐れも出てくる。しかし、隣国の韓国と日本は、この祭典が穏やかに、そして楽しめるものになるように、是非とも支援をする必要がある。アジアが一体となって、世界に平和を発信させていくよき機会である」と訴えていた。
しかしさすがに自らの主張に自信がないからか、どうも言いたいことが明瞭でない。日韓が「一党独裁」を支援するのが世界平和に役立つと言っているようにすら取れるが、それは本心か。
千氏はさらに「折角の友好親善の場となるスポーツの祭典が、一部の心なき人々によって妨害されたり、万一の何かが起こったりしないように、警備をしっかりとして、参加する人々が快く観戦できるように手配されることを当局に望んでいる」とも書いていた。
ここで非難する「一部の心なき人々」とは、もしや「フリーチベット」などを叫ぶ反中国の人々のことか。
そう誰もが受け取ったことだろう。当時中国が下も警戒していたのが、そうした外国の人々やチベット人、ウイグル人の「妨害」だった。
■最新の「観光行政の重要さ」も歴史観に問題が
「一服どうぞ」の最新作は六月十三日に掲載の「観光行政の重要さ」だが、これにしても納得できないものがあった。

これによると千氏は「国土交通省の前原大臣から要請を受け、観光親善大使をお受けすることとなった」そうである。
そこで「観光立国である日本は、外国では見聞できない独特のものを広報し『もてなしの心』で温かく海外の人々を迎えるように心がけて、国民一人一人の迎えようとする協力がなければならない時期にきている」と呼びかけるのだが、それに先立ち、日本の対外交渉の歴史を次のように批判するのだ。
―――日本では1549年から1600年くらいの間、キリシタンが許されたので、布教に基づいて外国文化を見聞きし知識を得ることができたのである。・・・織田信長はポルトガル人イエズス会宣教師ルイス・フロイスを安土城に招聘するなど、将来を見る目と視野の広さがあり、一時は日本を新しき方向にと向けたのだが、残念ながら本能寺の変で夢と消えてしまった。
―――豊臣秀吉は、隣国を配下に治める野望で朝鮮に軍を進める。
―――千利休は側近の一人として、この野望を何とか止めようと大納言秀長とともに牽制するのだが、石田三成や小西行長などの独走でままならず、大徳寺山門建立などにより、謀反ありとの理由で切腹を命じられた。
―――隣国と一体化となるための大きな心で政策を進めていたら、今ごろの日本はもっと立場が良くなっていたことであろう。とかく日本の島国根性的な偏見で、事をなそうとした歴史的なことどもは痛恨の極みである。
―――また徳川時代にもっと幅広く諸国との交流をなしていたならば、日本人の外国に対する思いや考え方も深まり、世界の人々が日本をある程度、理解してくれたことであろう。
このように千氏は、国際交流の道を絶つかのような「日本の島国根性」を批判するのだが、これは当時の日本やアジアを取り巻く国際環境を度外視したものと言える。
■歴史事実を無視して日本の「島国根性」を批判するか
千氏にしても、あの時代のポルトガル人やスペイン人などが、単に布教、交易のためだけに東アジアに到来したとは考えていまい。
そこには征服、殖民と言うもう一つの目的があったのである。そしてその侵略の野心と国内への勢力浸透を、日本人は危惧、警戒したと言うのが当時の歴史の概況ではないだろうか。
だから徳川時代の鎖国政策について当時来日した独人ケンペルは、外国の陰謀、競争、戦争などからの閉鎖状態に置かれている日本は幸福だと、その『鎖国論』で賞賛している。
千氏はさらに、もし秀吉が「隣国と一体化となるための大きな心で政策を進めていたら」と仮定するが、「隣国」とは朝鮮のことか。それとも明国も含まれるのか。
当時、これらの国との「一体化」を進めると言うことは、明朝が主宰する華夷秩序の下に入り、朝貢を行う以外になかった。だがそのような硬直した秩序に収まるには、日本の交易のエネルギーはあまりに大きすぎた。それに独立した国家としての自尊心もである。
ちなみに、秀吉の「野望」とは、西欧諸国の「大航海」にも刺激を受けた上でのもので、あの戦略構想の壮大さは「島国根性的な偏見」に基づいたものとは言えないだろう。それはさらに、やがて明国から東アジア大陸の覇権を奪取する満洲人のそれとも似ていた。
もちろん歴史をいかに評価するかは個々人の自由である。ただ気になるのは、千氏にとってここで重要なのは、そうした当時の国際情勢がどうのと言うより、外国との「一体化」を推進できない日本の対外的に閉ざされた「島国根性」への批判だけではないのかと言うことだ。
■鳩山、中国に通底する「閉ざされた日本」批判
そう感じるのはなぜかと言うと、三月十七日に鳩山由紀夫首相(当時)が東アジア共同体構想について語った講演の内容と軌を一にしているからだ。
それもまた、貿易大国、対外援助大国として世界に開かれた日本の国情を無視した「島国根性」批判だった。
たとえば、
―――旧政権と大きく違うのは東アジア共同体を積極的に構想することだ。役所間の軋轢が障害になっている部分もあるが、日本を世界に向けてひらく。もっともっと開国させる。
―――「開かれた国益」という言葉をあえて使いたい。日本という国がまだ鎖国的な意識を持っている。一人一人の心の壁を取り除くことが大事な発想だ。
実はこの鳩山氏の主張はさらに、やはり同氏が推進した外国人参政権付与の政策に呼応する在日中国人勢力の主張にも通底しているのだ。
昨年十月二十八日に在日中国人メディア「日本新華僑報」が掲載し、本国の御用メディアによって盛んに引用された論文などは象徴的だ。そこでは外国人への参政権付与を拒む日本社会について、「保守的で自閉的な情緒を感じ取れる」「永住外国人に地方参政権を付与するのは社会文明の発展的な必然であり、社会進歩の体現でもある」との批判が展開されている。
■「平和の心」で中国の覇権戦略に呼応するな
このように中国人勢力が、本国の一党独裁下での排他的、自閉的な政治制度を批判せず、ただ日本を「保守的」「自閉的」と非難するのには理由があろう。それは日本の選挙権を獲得し、それを通じて日本社会に対する本国の政治的影響力を強化するとの戦略に従っているためでもあるのだろう。
中国の戦略に従っていると言えば、チベット人虐殺に抗議の声を上げることなく、「アジアが一体となって、世界に平和を発信させていくよき機会」として北京五輪を翼賛した千氏も、結果的には同じである。
四月十三日の日中首脳意会談で、中国東海艦隊の日本への恫喝行為を一切批判せず、東アジア共同体構想を語った鳩山氏にしても同様だ。そのとき胡錦濤主席からは「アジアの一体化を促進しよう」との賛同の言葉を賜っている。「二十一世紀の華夷秩序」構想と理解されたのだろう。
できることなら日本を「中国の戦争、陰謀からの閉鎖状態」に置き、国民の平和、幸福を確保しなければならない。しかし単なる鎖国政策ではチベット解放はおろか、自己防衛もままならないから、やはり進んで中国の膨張政策を非難しなければならない。したがって横暴な覇権国家との摩擦を避けることばかりを求めるだけでは、とても「平和の心」とは言えないのだ。
観光親善大使として「もてなしの心」が必要だとアピールする千氏だが、温家宝氏のごとき「平和の敵」を無批判に「もてなし」た挙句、人民日報からいいように宣伝利用されてしまったことこそ、「痛恨の極み」と言うものである。
国民の尊敬を集めて影響力が大きい千氏には、今後は「平和の心」で中国との交流をボイコットし、あの国に批判のメッセージを送ることを望みたい。それだけでも大勢の人々が、何が真の「平和か」を理解することになるのではないか。
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6.16 守るぞ日本! 「教育再生は山梨から」
日時 平成22年6月16日(水) 19時00分~21時00分 (18時30分開場)
場所 夢ワーク山梨 (勤労福祉センター)
山梨県山梨市上神内川1348(旧山梨市役所西側)
内容
《講演》
藤岡信勝(拓殖大学教授・新しい歴史教科書をつくる会会長)
《演説》
井尻千男(拓殖大学日本文化研究所顧問)
水島総(日本文化チャンネル桜代表・頑張れ日本!全国行動委員会幹事長)
稲田朋美(衆議院議員・伝統と創造の会会長)
西田昌司(参議院議員)
赤池まさあき(前衆議院議員) ほか
宮川のり子 ※ 参議院選挙 山梨選挙区 自民党候補予定者として紹介
《街頭演説会》
14時~ JR甲斐大和駅前 / 15時~ 旧甲州街道勝沼上町交差点 / 16時~ 塩山駅南口 / 17時~ 山梨市駅北口 / 演説後に街頭行進
入場料 無料
主催 赤池まさあき後援会 「誠友会」
共催 伝統と創造の会、頑張れ日本!全国行動委員会
ご連絡先 赤池まさあき事務所 TEL 055-237-5523 http://www.akaike.com
※ 案内チラシはこちら → http://www.ch-sakura.jp/sakura/kyoikusaisei0616yamanashi_flyer.pdf
チベット百人委員会シンポジュームのお知らせ
演題:タシ・ツェリン氏と語り合う、長野聖火リレーの衝撃
日時:平成22年6月20日(日)午後6時~8時
会場:トイーゴ4F、大学習室。(長野市鶴賀問御所町1200 ℡ 026-252-7151)
(JR長野駅善光寺口より徒歩10分、長野電鉄市役所前駅より徒歩3分)
パネリスト:タシ・ツェリン氏(台湾チベット青年会議 代表)
スー・ジェイ氏(台湾チベット交流協会、副代表)
ペマ・ギャルポ氏(桐蔭横浜大学大学院教授)
井川仁水師(宗派を超えてチベットの平和を祈念する僧侶と在家の会、幹事)
西村幸祐氏(ジャーナリスト)
司会: 小林秀英師(チベット問題を考える会 代表)
主催:チベット自由人権日本百人委員会
共催:チベット問題を考える会
キャンドル・オブ・長野
参加費:1000円
2008年4月26日北京オリンピック長野聖火リレーの日、出発地を辞退した善光寺の英断によって、日本人の良心と良識がかろうじて救われた日となりました。仏都長野は真っ赤な五星紅旗の海と化し、その渦中にあって雪山獅子の旭日旗を守るかのように、毅然と聳える法の城が善光寺であったのです。
奇しくも胡錦涛氏に可愛がられた福原愛ちゃんの前に飛び出して、チベット人としてはただ一人逮捕されたのがタシ・ツェリン氏です。目撃者談によれば、飛び出したとき彼は泣いていたそうです。心中を察するに余りあるとは、このことでしょうか。
チベット人が泣きながら訴えたいこととは何でしょうか。善光寺が命運を懸けて大英断を下し、チベット人を助けるばかりか、日本人の魂さえも救ってくれたと思えるのは、何故なのでしょうか。100年前にチベット国旗に旭日を付け加えた日本人の願いとは、何だったのでしょうか。かくも深く真剣にアジアの平和を祈念した、そんな人々の願いを奇しくも善光寺が受け継いでいた、そんな風に思えるのです。
皆さんもパネリストの先生方と一緒に、チベットとアジアの平和を考えてみませんか。
問い合わせ先:小林秀英 042-315-7635
「7・5ウルムチ虐殺一周年抗議デモ」案内
http://uyghur-j.org/news_20100704.html
今回のデモ行進は、2009年7月5日、中国ウイグル地域のウルムチで発生した「ウルムチ事件」から一年を迎えるにあたり、世界各国のウイグル人組織を統括する「世界ウイグル会議」が呼びかける「世界同時抗議」の一環としてのデモ行進です。
武装警察がウイグル人の平和的なデモ行進を武力鎮圧し、多くのウイグル人を殺害・逮捕、拘禁した「ウルムチ事件」から一年。これまでの間に、「容疑者」として逮捕・拘束されたウイグル人ら9人に死刑が執行されるという衝撃的な出来事が起こりました。そして、未だに多くのウイグル人が逮捕・拘禁の身となっているなど、「ウルムチ事件」は一年を経過した今も続いており、終わってはいません。
私達、日本ウイグル協会は、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める国際社会において、その名誉ある地位を占めたいと憲法で宣誓している日本国に居を構えております。
故に、日本ウイグル協会はその理念を遵守し、今回のデモ行進を通じ、中国政府や多くの方に以下のことを訴えて参ります。
・民族浄化政策下に置かれているウイグル人の境遇の改善
・容疑者として、現在も囚われの身になっているウイグル人の即時解放
・政治的中立な調査団の受け入れによる、事件の真相究明
さらには、中国政府に対し、中国国内で発生している人権問題を全面的に解決させ、ウイグル人や抑圧を受ける多くの人々に多様な自由が与えられない限り、 未来における中国の発展は断じて無いことを訴え、強い警告を発して参ります。
皆様のご賛同を頂ければ幸いです。何卒、宜しくお願い申し上げます。
[集合場所] 常盤橋公園
※地下鉄半蔵門線三越前駅から徒歩2分、大手町駅から徒歩4分、
銀座線三越前駅から徒歩5分、JR東京駅から徒歩6分
[日時] 平成22年7月4日(日) 集合開始 15:30
出発 16:00 解散 17:00
[コース予定] 常盤橋公園→八重洲中央口前→数寄屋橋→日航ホテル前右→日比谷公園解散
[主催] 特定非営利活動法人「日本ウイグル協会」 代表 イリハム・マハムティ
※お問合わせ HP:http://uyghur-j.org E-MAIL:info@uyghur-j.org
[協賛団体] チベット問題を考える会、モンゴル自由連盟党、内モンゴル人民党
※東トルキスタンの旗をイメージした水色の服やタオルなどを身に着けての参加を歓迎します。
※デモ行進で揚げる旗については、7・5ウルムチ事件に対して中国政府に抗議する立場であれば、どの民族支援の旗も、どの団体組織の旗でもご自由にお持ちください。
※当日は体調や天候に注意してご参加ください。沿道での見学、応援も歓迎します。
※マスコミなどに撮影されると個人的に問題がある方はマスクなどで顔を隠してご参加ください。
※デモ行進中に、何か問題が発生した場合はデモスタッフか警備の警察にすぐに連絡してください。
[禁止事項]
平和的な抗議行動です。ウイグル人のために過激な行動は起こさないようお願いいたします。
※警察やマスコミへの挑発行為。
※沿道の見学者や中国人観光客などへの挑発行為。
※拡声器を持ち込んでの勝手なシュプレヒコール。
※日本の政党や政治家、または候補者に関するプラカードの持参やシュプレヒコール。
メルマガ版「台湾は日本の生命線!」
反中華覇権主義運動のさまざまな関連情報を配信中。
登録先・バックナンバー http://www.melma.com/backnumber_174014
五月三十日、来日した中国の温家宝首相から「中日友好貢献賞」授与の栄誉に浴した裏千家前家元の千玄室氏。翌日には文化人との座談会にも招かれ、同首相と懇談しているが、中共機関紙人民日報(電子版)は、そのときの千氏の様子をこう伝える。
「銀髪の千玄室先生は灰色の和服を着て飄逸とした表情。すでに百回以上訪中している先生は日本茶道会の対中友好交流を開いた先駆者だ」

温家宝首相から「中日友好貢献賞」を授かった千玄室氏
そして次のような温家宝氏との会話も。
千玄室――かつて小平先生に献茶したとき、「茶のルーツは中国だが茶道は日本で盛んになった。茶道で重要なのは平和の心だ」と強調された。両国文化の共通文化は大切にされたい。
温家宝――(頷きながら)茶は中国をルーツとするとともに平和の象徴だ。蚕糸もそうだ。かつて徐福も鄭和も航海で茶と蚕糸を持ち出し、平和と友情を伝えた。
千玄室――残念ながら本日は総理に献茶するチャンスはない。
このとき「その場に居合わせた人々は中日友好交流の美しい情感の中に浸った」そうだ。
人民日報はそう書いて、読者に平和への感動を促すのだが、心ある日本人なら、こんなものに感動などできない。
「茶道で重要なのは平和の心」と語った千氏は、「貴国のチベット、ウイグル弾圧政策は平和に反する」とは言わなかったのか。あるいは「台湾侵略は止めよ」「日本恫喝は止めよ」とは求めなかったのか。
そもそも「フリーチベット」を言えるほどの人物なら、「中日友好貢献賞」などは与えられないだろう。
■産経掲載の「一服どうぞ」が感心できない理由
もちろん儀礼上、そのような非難をしたいと思っても不可能ではある。また長年中国との間で積み重ねてきた文化交流への「友好貢献」を軽々しく否定することもできない。
しかしあまり感心できないのは、千氏が産経新聞に掲載するコラム「一服どうぞ」だ。なぜなら同氏のそうした姿勢が、こうしたところでも表れ、読む者に悪影響を与えかねないからである。
〇八年七月六日掲載の「人馬一体で友好の祭典へ」は北京五輪への協力を呼びかける内容だった。
中国ではチベット「暴動」問題などの難問を抱えているが、「中国は何としてでもこれを成功させなければ、国としての面子が立たないし、一党独裁の政治力が失墜する恐れも出てくる。しかし、隣国の韓国と日本は、この祭典が穏やかに、そして楽しめるものになるように、是非とも支援をする必要がある。アジアが一体となって、世界に平和を発信させていくよき機会である」と訴えていた。
しかしさすがに自らの主張に自信がないからか、どうも言いたいことが明瞭でない。日韓が「一党独裁」を支援するのが世界平和に役立つと言っているようにすら取れるが、それは本心か。
千氏はさらに「折角の友好親善の場となるスポーツの祭典が、一部の心なき人々によって妨害されたり、万一の何かが起こったりしないように、警備をしっかりとして、参加する人々が快く観戦できるように手配されることを当局に望んでいる」とも書いていた。
ここで非難する「一部の心なき人々」とは、もしや「フリーチベット」などを叫ぶ反中国の人々のことか。
そう誰もが受け取ったことだろう。当時中国が下も警戒していたのが、そうした外国の人々やチベット人、ウイグル人の「妨害」だった。
■最新の「観光行政の重要さ」も歴史観に問題が
「一服どうぞ」の最新作は六月十三日に掲載の「観光行政の重要さ」だが、これにしても納得できないものがあった。

これによると千氏は「国土交通省の前原大臣から要請を受け、観光親善大使をお受けすることとなった」そうである。
そこで「観光立国である日本は、外国では見聞できない独特のものを広報し『もてなしの心』で温かく海外の人々を迎えるように心がけて、国民一人一人の迎えようとする協力がなければならない時期にきている」と呼びかけるのだが、それに先立ち、日本の対外交渉の歴史を次のように批判するのだ。
―――日本では1549年から1600年くらいの間、キリシタンが許されたので、布教に基づいて外国文化を見聞きし知識を得ることができたのである。・・・織田信長はポルトガル人イエズス会宣教師ルイス・フロイスを安土城に招聘するなど、将来を見る目と視野の広さがあり、一時は日本を新しき方向にと向けたのだが、残念ながら本能寺の変で夢と消えてしまった。
―――豊臣秀吉は、隣国を配下に治める野望で朝鮮に軍を進める。
―――千利休は側近の一人として、この野望を何とか止めようと大納言秀長とともに牽制するのだが、石田三成や小西行長などの独走でままならず、大徳寺山門建立などにより、謀反ありとの理由で切腹を命じられた。
―――隣国と一体化となるための大きな心で政策を進めていたら、今ごろの日本はもっと立場が良くなっていたことであろう。とかく日本の島国根性的な偏見で、事をなそうとした歴史的なことどもは痛恨の極みである。
―――また徳川時代にもっと幅広く諸国との交流をなしていたならば、日本人の外国に対する思いや考え方も深まり、世界の人々が日本をある程度、理解してくれたことであろう。
このように千氏は、国際交流の道を絶つかのような「日本の島国根性」を批判するのだが、これは当時の日本やアジアを取り巻く国際環境を度外視したものと言える。
■歴史事実を無視して日本の「島国根性」を批判するか
千氏にしても、あの時代のポルトガル人やスペイン人などが、単に布教、交易のためだけに東アジアに到来したとは考えていまい。
そこには征服、殖民と言うもう一つの目的があったのである。そしてその侵略の野心と国内への勢力浸透を、日本人は危惧、警戒したと言うのが当時の歴史の概況ではないだろうか。
だから徳川時代の鎖国政策について当時来日した独人ケンペルは、外国の陰謀、競争、戦争などからの閉鎖状態に置かれている日本は幸福だと、その『鎖国論』で賞賛している。
千氏はさらに、もし秀吉が「隣国と一体化となるための大きな心で政策を進めていたら」と仮定するが、「隣国」とは朝鮮のことか。それとも明国も含まれるのか。
当時、これらの国との「一体化」を進めると言うことは、明朝が主宰する華夷秩序の下に入り、朝貢を行う以外になかった。だがそのような硬直した秩序に収まるには、日本の交易のエネルギーはあまりに大きすぎた。それに独立した国家としての自尊心もである。
ちなみに、秀吉の「野望」とは、西欧諸国の「大航海」にも刺激を受けた上でのもので、あの戦略構想の壮大さは「島国根性的な偏見」に基づいたものとは言えないだろう。それはさらに、やがて明国から東アジア大陸の覇権を奪取する満洲人のそれとも似ていた。
もちろん歴史をいかに評価するかは個々人の自由である。ただ気になるのは、千氏にとってここで重要なのは、そうした当時の国際情勢がどうのと言うより、外国との「一体化」を推進できない日本の対外的に閉ざされた「島国根性」への批判だけではないのかと言うことだ。
■鳩山、中国に通底する「閉ざされた日本」批判
そう感じるのはなぜかと言うと、三月十七日に鳩山由紀夫首相(当時)が東アジア共同体構想について語った講演の内容と軌を一にしているからだ。
それもまた、貿易大国、対外援助大国として世界に開かれた日本の国情を無視した「島国根性」批判だった。
たとえば、
―――旧政権と大きく違うのは東アジア共同体を積極的に構想することだ。役所間の軋轢が障害になっている部分もあるが、日本を世界に向けてひらく。もっともっと開国させる。
―――「開かれた国益」という言葉をあえて使いたい。日本という国がまだ鎖国的な意識を持っている。一人一人の心の壁を取り除くことが大事な発想だ。
実はこの鳩山氏の主張はさらに、やはり同氏が推進した外国人参政権付与の政策に呼応する在日中国人勢力の主張にも通底しているのだ。
昨年十月二十八日に在日中国人メディア「日本新華僑報」が掲載し、本国の御用メディアによって盛んに引用された論文などは象徴的だ。そこでは外国人への参政権付与を拒む日本社会について、「保守的で自閉的な情緒を感じ取れる」「永住外国人に地方参政権を付与するのは社会文明の発展的な必然であり、社会進歩の体現でもある」との批判が展開されている。
■「平和の心」で中国の覇権戦略に呼応するな
このように中国人勢力が、本国の一党独裁下での排他的、自閉的な政治制度を批判せず、ただ日本を「保守的」「自閉的」と非難するのには理由があろう。それは日本の選挙権を獲得し、それを通じて日本社会に対する本国の政治的影響力を強化するとの戦略に従っているためでもあるのだろう。
中国の戦略に従っていると言えば、チベット人虐殺に抗議の声を上げることなく、「アジアが一体となって、世界に平和を発信させていくよき機会」として北京五輪を翼賛した千氏も、結果的には同じである。
四月十三日の日中首脳意会談で、中国東海艦隊の日本への恫喝行為を一切批判せず、東アジア共同体構想を語った鳩山氏にしても同様だ。そのとき胡錦濤主席からは「アジアの一体化を促進しよう」との賛同の言葉を賜っている。「二十一世紀の華夷秩序」構想と理解されたのだろう。
できることなら日本を「中国の戦争、陰謀からの閉鎖状態」に置き、国民の平和、幸福を確保しなければならない。しかし単なる鎖国政策ではチベット解放はおろか、自己防衛もままならないから、やはり進んで中国の膨張政策を非難しなければならない。したがって横暴な覇権国家との摩擦を避けることばかりを求めるだけでは、とても「平和の心」とは言えないのだ。
観光親善大使として「もてなしの心」が必要だとアピールする千氏だが、温家宝氏のごとき「平和の敵」を無批判に「もてなし」た挙句、人民日報からいいように宣伝利用されてしまったことこそ、「痛恨の極み」と言うものである。
国民の尊敬を集めて影響力が大きい千氏には、今後は「平和の心」で中国との交流をボイコットし、あの国に批判のメッセージを送ることを望みたい。それだけでも大勢の人々が、何が真の「平和か」を理解することになるのではないか。
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6.16 守るぞ日本! 「教育再生は山梨から」
日時 平成22年6月16日(水) 19時00分~21時00分 (18時30分開場)
場所 夢ワーク山梨 (勤労福祉センター)
山梨県山梨市上神内川1348(旧山梨市役所西側)
内容
《講演》
藤岡信勝(拓殖大学教授・新しい歴史教科書をつくる会会長)
《演説》
井尻千男(拓殖大学日本文化研究所顧問)
水島総(日本文化チャンネル桜代表・頑張れ日本!全国行動委員会幹事長)
稲田朋美(衆議院議員・伝統と創造の会会長)
西田昌司(参議院議員)
赤池まさあき(前衆議院議員) ほか
宮川のり子 ※ 参議院選挙 山梨選挙区 自民党候補予定者として紹介
《街頭演説会》
14時~ JR甲斐大和駅前 / 15時~ 旧甲州街道勝沼上町交差点 / 16時~ 塩山駅南口 / 17時~ 山梨市駅北口 / 演説後に街頭行進
入場料 無料
主催 赤池まさあき後援会 「誠友会」
共催 伝統と創造の会、頑張れ日本!全国行動委員会
ご連絡先 赤池まさあき事務所 TEL 055-237-5523 http://www.akaike.com
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チベット百人委員会シンポジュームのお知らせ
演題:タシ・ツェリン氏と語り合う、長野聖火リレーの衝撃
日時:平成22年6月20日(日)午後6時~8時
会場:トイーゴ4F、大学習室。(長野市鶴賀問御所町1200 ℡ 026-252-7151)
(JR長野駅善光寺口より徒歩10分、長野電鉄市役所前駅より徒歩3分)
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スー・ジェイ氏(台湾チベット交流協会、副代表)
ペマ・ギャルポ氏(桐蔭横浜大学大学院教授)
井川仁水師(宗派を超えてチベットの平和を祈念する僧侶と在家の会、幹事)
西村幸祐氏(ジャーナリスト)
司会: 小林秀英師(チベット問題を考える会 代表)
主催:チベット自由人権日本百人委員会
共催:チベット問題を考える会
キャンドル・オブ・長野
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2008年4月26日北京オリンピック長野聖火リレーの日、出発地を辞退した善光寺の英断によって、日本人の良心と良識がかろうじて救われた日となりました。仏都長野は真っ赤な五星紅旗の海と化し、その渦中にあって雪山獅子の旭日旗を守るかのように、毅然と聳える法の城が善光寺であったのです。
奇しくも胡錦涛氏に可愛がられた福原愛ちゃんの前に飛び出して、チベット人としてはただ一人逮捕されたのがタシ・ツェリン氏です。目撃者談によれば、飛び出したとき彼は泣いていたそうです。心中を察するに余りあるとは、このことでしょうか。
チベット人が泣きながら訴えたいこととは何でしょうか。善光寺が命運を懸けて大英断を下し、チベット人を助けるばかりか、日本人の魂さえも救ってくれたと思えるのは、何故なのでしょうか。100年前にチベット国旗に旭日を付け加えた日本人の願いとは、何だったのでしょうか。かくも深く真剣にアジアの平和を祈念した、そんな人々の願いを奇しくも善光寺が受け継いでいた、そんな風に思えるのです。
皆さんもパネリストの先生方と一緒に、チベットとアジアの平和を考えてみませんか。
問い合わせ先:小林秀英 042-315-7635
「7・5ウルムチ虐殺一周年抗議デモ」案内
http://uyghur-j.org/news_20100704.html
今回のデモ行進は、2009年7月5日、中国ウイグル地域のウルムチで発生した「ウルムチ事件」から一年を迎えるにあたり、世界各国のウイグル人組織を統括する「世界ウイグル会議」が呼びかける「世界同時抗議」の一環としてのデモ行進です。
武装警察がウイグル人の平和的なデモ行進を武力鎮圧し、多くのウイグル人を殺害・逮捕、拘禁した「ウルムチ事件」から一年。これまでの間に、「容疑者」として逮捕・拘束されたウイグル人ら9人に死刑が執行されるという衝撃的な出来事が起こりました。そして、未だに多くのウイグル人が逮捕・拘禁の身となっているなど、「ウルムチ事件」は一年を経過した今も続いており、終わってはいません。
私達、日本ウイグル協会は、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める国際社会において、その名誉ある地位を占めたいと憲法で宣誓している日本国に居を構えております。
故に、日本ウイグル協会はその理念を遵守し、今回のデモ行進を通じ、中国政府や多くの方に以下のことを訴えて参ります。
・民族浄化政策下に置かれているウイグル人の境遇の改善
・容疑者として、現在も囚われの身になっているウイグル人の即時解放
・政治的中立な調査団の受け入れによる、事件の真相究明
さらには、中国政府に対し、中国国内で発生している人権問題を全面的に解決させ、ウイグル人や抑圧を受ける多くの人々に多様な自由が与えられない限り、 未来における中国の発展は断じて無いことを訴え、強い警告を発して参ります。
皆様のご賛同を頂ければ幸いです。何卒、宜しくお願い申し上げます。
[集合場所] 常盤橋公園
※地下鉄半蔵門線三越前駅から徒歩2分、大手町駅から徒歩4分、
銀座線三越前駅から徒歩5分、JR東京駅から徒歩6分
[日時] 平成22年7月4日(日) 集合開始 15:30
出発 16:00 解散 17:00
[コース予定] 常盤橋公園→八重洲中央口前→数寄屋橋→日航ホテル前右→日比谷公園解散
[主催] 特定非営利活動法人「日本ウイグル協会」 代表 イリハム・マハムティ
※お問合わせ HP:http://uyghur-j.org E-MAIL:info@uyghur-j.org
[協賛団体] チベット問題を考える会、モンゴル自由連盟党、内モンゴル人民党
※東トルキスタンの旗をイメージした水色の服やタオルなどを身に着けての参加を歓迎します。
※デモ行進で揚げる旗については、7・5ウルムチ事件に対して中国政府に抗議する立場であれば、どの民族支援の旗も、どの団体組織の旗でもご自由にお持ちください。
※当日は体調や天候に注意してご参加ください。沿道での見学、応援も歓迎します。
※マスコミなどに撮影されると個人的に問題がある方はマスクなどで顔を隠してご参加ください。
※デモ行進中に、何か問題が発生した場合はデモスタッフか警備の警察にすぐに連絡してください。
[禁止事項]
平和的な抗議行動です。ウイグル人のために過激な行動は起こさないようお願いいたします。
※警察やマスコミへの挑発行為。
※沿道の見学者や中国人観光客などへの挑発行為。
※拡声器を持ち込んでの勝手なシュプレヒコール。
※日本の政党や政治家、または候補者に関するプラカードの持参やシュプレヒコール。
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