中共「尖閣闘争」と二階俊博の呼応ーまたも「棚上げ」アピール
2015/08/24/Mon
自民党の二階俊博総務会長は相変わらずだ。日中関係改善のため中国の要求に応じるべきだとアピールした。八月十九日の日本外国特派員協会での記者会見においてだ。
毎日新聞によれば、こう発言を行っている。
―――「解決しようと急いでも、直ちにはいかないならば、頭を冷やす時間があっていい」と指摘。そのうえで、1972年の日中国交正常化で田中角栄首相(当時)が訪中した際に、会談相手の周恩来首相(同)が「尖閣問題は今回話したくない」と述べたことを中国が「棚上げ合意」と主張していることについて、「私はこの考えに賛成だ」と理解を示した。

中国のための発言を繰り返して自国政府の牽制を繰り返す二階俊博氏(左)。その狙いは何か
先年も「少し横に置いて考えては」と棚上げを訴えて批判を浴びたが、何も変わっていない。
尖閣問題に対処する日本は、「武装強盗の侵入を懸命に警戒する市民」といったところだが、その「市民」に「頭を冷やせ」と呼び掛ける二階氏は、やはり「強盗」の側に立っている。
田中・周会談で「棚上げ合意」があったとする中国の嘘の宣伝を事実と位置付ける点にしても、それは言えそうだ。
あの会談での尖閣問題への言及は、日中双方の記録を見ても明らかなように、ほんのわずかなものである。「尖閣諸島についてどう思うか。私のところに、いろいろ言ってくる人がいる」と聞く田中氏に対し、周恩来氏が「尖閣諸島問題については、今回は話したくない。今、これを話すのはよくない。石油が出るからこれが問題になった。石油が出なければ、台湾も米国も問題にしない」と答え、それで終わっているのだ。

田中・周恩来会談。「尖閣棚上げの合意」など、中国側の記録にすらない
どう見ても、「棚上げ合意」に達したなどといった話ではないのである。
いずれにせよ、中国の「棚上げ」の要求など、日本から支配権を奪うための罠なのだ。そのことを裏付ける一つに、田中・周会談の二年後の一九七四年十月、当時の鄧小平副首相が行ったスピーチがある。
これは国慶節を祝うため海外から集まった華僑らに対するもので、下の如しだ。
「尖閣列島を確保する工作にはきわめて大きな意義があります。尖閣列島の闘争は長期的な闘争であります。日本との国交のとき、双方は言及することを避け、まず放置しておきました。われわれは永遠にこの中国の領土を放棄することはできず、日本も放棄できず、ここに問題があるのです。尖閣列島確保の運動は継続しなければなりません。運動の形態には高低があり得てよいのです。以前のように日本が占領しようとしたときには高まり、もち出さないときには低くなる。この運動は波状的であり、長く久しく継続しなければなりません。尖閣列島確保運動の内容を充実させ、台湾問題と関連づけることを考慮すれば、工作はやりがいがあるのではないでしょうか。尖閣列島を確保する工作には極めて大きな意義があります」
つまり、中国にとり「尖閣列島確保運動」は継続すべきであり、その形態には日本の出方によって「高低」があってよく、「低」の形態として放置=棚上げの偽装があるというのが、あの国の戦略なのだ。
この鄧小平発言は、日中平和友好条約が締結された直後の一九七八年十月十七日、和田春生参院議員が参院外務委員会で公表したものである。
そしてそれから間もない同月二十五日、その鄧小平氏自身が都内での記者会見で、尖閣問題についてこう述べている。
「こういう問題は、一時棚上げにしてもかまわないと思います。十年棚上げにしてもかまいません。我々の、この世代の人間は知恵が足りません。この問題は話がまとまりません。次の世代は、きっと我々よりは賢くなるでしょう。そのときは必ずや、お互いに皆が受け入れられる良い方法を見つけることができるでしょう」

尖閣問題の棚上げを訴えた鄧小平氏。しかしそれも対日闘争の一
環だった
これは鄧小平氏の「棚上げの主張」として有名な発言だが、こうした姿勢もまた日本を欺くための「尖閣闘争」の一環ということになろう。実際にあの国はその後も、時には「低」、時には「高」の姿勢で対日「闘争」を繰り広げている。
そして現在は安倍晋三首相に対し、その姿勢は甚だ「高」。しかしいつまでもそれを続けるのは得策ではなく、そろそろ手を緩めたいところだ。
そこでそうした中国の意向を受け、二階氏が蠢くのだろう。
「頭を冷やそう」「棚上げしよう」などと訴えて、安倍氏に何らかの譲歩を促したいらしい。中国との緊張関係に疲れたメディア、世論を動かしながら。
【過去の関連記事】
尖閣問題「棚上げ」合意は事実かー英国機密文書で勝ち誇る中国だが 15/03/06
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2518.html
二階俊博の発言の裏に中国の謀略―日本人は見抜けないか 15/05/29
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2568.html
*******************************************
ブログランキング参加中
よろしければクリックをお願いします。 運動を拡大したいので。
↓ ↓

モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php
link.php
毎日新聞によれば、こう発言を行っている。
―――「解決しようと急いでも、直ちにはいかないならば、頭を冷やす時間があっていい」と指摘。そのうえで、1972年の日中国交正常化で田中角栄首相(当時)が訪中した際に、会談相手の周恩来首相(同)が「尖閣問題は今回話したくない」と述べたことを中国が「棚上げ合意」と主張していることについて、「私はこの考えに賛成だ」と理解を示した。

中国のための発言を繰り返して自国政府の牽制を繰り返す二階俊博氏(左)。その狙いは何か
先年も「少し横に置いて考えては」と棚上げを訴えて批判を浴びたが、何も変わっていない。
尖閣問題に対処する日本は、「武装強盗の侵入を懸命に警戒する市民」といったところだが、その「市民」に「頭を冷やせ」と呼び掛ける二階氏は、やはり「強盗」の側に立っている。
田中・周会談で「棚上げ合意」があったとする中国の嘘の宣伝を事実と位置付ける点にしても、それは言えそうだ。
あの会談での尖閣問題への言及は、日中双方の記録を見ても明らかなように、ほんのわずかなものである。「尖閣諸島についてどう思うか。私のところに、いろいろ言ってくる人がいる」と聞く田中氏に対し、周恩来氏が「尖閣諸島問題については、今回は話したくない。今、これを話すのはよくない。石油が出るからこれが問題になった。石油が出なければ、台湾も米国も問題にしない」と答え、それで終わっているのだ。

田中・周恩来会談。「尖閣棚上げの合意」など、中国側の記録にすらない
どう見ても、「棚上げ合意」に達したなどといった話ではないのである。
いずれにせよ、中国の「棚上げ」の要求など、日本から支配権を奪うための罠なのだ。そのことを裏付ける一つに、田中・周会談の二年後の一九七四年十月、当時の鄧小平副首相が行ったスピーチがある。
これは国慶節を祝うため海外から集まった華僑らに対するもので、下の如しだ。
「尖閣列島を確保する工作にはきわめて大きな意義があります。尖閣列島の闘争は長期的な闘争であります。日本との国交のとき、双方は言及することを避け、まず放置しておきました。われわれは永遠にこの中国の領土を放棄することはできず、日本も放棄できず、ここに問題があるのです。尖閣列島確保の運動は継続しなければなりません。運動の形態には高低があり得てよいのです。以前のように日本が占領しようとしたときには高まり、もち出さないときには低くなる。この運動は波状的であり、長く久しく継続しなければなりません。尖閣列島確保運動の内容を充実させ、台湾問題と関連づけることを考慮すれば、工作はやりがいがあるのではないでしょうか。尖閣列島を確保する工作には極めて大きな意義があります」
つまり、中国にとり「尖閣列島確保運動」は継続すべきであり、その形態には日本の出方によって「高低」があってよく、「低」の形態として放置=棚上げの偽装があるというのが、あの国の戦略なのだ。
この鄧小平発言は、日中平和友好条約が締結された直後の一九七八年十月十七日、和田春生参院議員が参院外務委員会で公表したものである。
そしてそれから間もない同月二十五日、その鄧小平氏自身が都内での記者会見で、尖閣問題についてこう述べている。
「こういう問題は、一時棚上げにしてもかまわないと思います。十年棚上げにしてもかまいません。我々の、この世代の人間は知恵が足りません。この問題は話がまとまりません。次の世代は、きっと我々よりは賢くなるでしょう。そのときは必ずや、お互いに皆が受け入れられる良い方法を見つけることができるでしょう」

尖閣問題の棚上げを訴えた鄧小平氏。しかしそれも対日闘争の一
環だった
これは鄧小平氏の「棚上げの主張」として有名な発言だが、こうした姿勢もまた日本を欺くための「尖閣闘争」の一環ということになろう。実際にあの国はその後も、時には「低」、時には「高」の姿勢で対日「闘争」を繰り広げている。
そして現在は安倍晋三首相に対し、その姿勢は甚だ「高」。しかしいつまでもそれを続けるのは得策ではなく、そろそろ手を緩めたいところだ。
そこでそうした中国の意向を受け、二階氏が蠢くのだろう。
「頭を冷やそう」「棚上げしよう」などと訴えて、安倍氏に何らかの譲歩を促したいらしい。中国との緊張関係に疲れたメディア、世論を動かしながら。
【過去の関連記事】
尖閣問題「棚上げ」合意は事実かー英国機密文書で勝ち誇る中国だが 15/03/06
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2518.html
二階俊博の発言の裏に中国の謀略―日本人は見抜けないか 15/05/29
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2568.html
*******************************************
ブログランキング参加中
よろしければクリックをお願いします。 運動を拡大したいので。
↓ ↓

モバイルはこちら
↓ ↓
http://blog.with2.net/link.php
link.php
スポンサーサイト