日本の政界惑わす謀略機関「中国人民対外友好協会」の李小林会長
2014/05/28/Wed
五月十四日の日本経済新聞(電子版)の時事解説欄「真相深層」は「日中関係の風向きが少しだけ変わってきた」と期待を込める。
それによると、
―――当はよりを戻したいけれど、相手の考えがわからない。そんなすれ違いが、冷えきった日中関係の改善を阻んできた。途切れたパイプのつなぎ役はいないのか。日本側が期待を寄せるのが、中国の高級幹部の子弟である「太子党」だ。
―――(五月)5日午前、北京の天安門広場にほど近い中国人民対外友好協会。日中友好議員連盟のメンバーを率いてここを訪れた自民党の高村正彦副総裁は、鮮やかな赤の服を着て現れた同協会の李小林会長と向き合った。
―――「李会長は習近平国家主席と幼なじみだそうで、私たちが李会長にものを言えば、必ずそれが習主席の耳にも入るとうかがっています」
―――李氏は1980年代に国家主席を務めた李先念氏の娘。副首相だった習仲勲氏を父にもつ習氏とは、同じ太子党の仲間として親交を深めてきた。
―――その日の午後、高村氏は共産党のなかで習氏、李克強首相に次ぐ序列3位の張徳江・全国人民代表大会委員長(国会議長に相当)と会った。昨年12月に安倍晋三首相が靖国神社を参拝してから、日本の国会議員が共産党の最高指導部である政治局常務委員会のメンバーと会談したのは初めてだ。「あれだけ高位の人が出てくるとは予想していなかった」。自民党幹部は中国側の手厚いもてなしの背後に、李氏から習氏への働きかけがあったと感じている。
李小林氏のように「習氏とじかに話ができる太子党とのパイプを太くしたい」との思いが日本側にある。そのため「日中首脳会談が実現するまでの道のりはなお遠い。それでも、お互いに本音を伝え合うための手だてを探りはじめたとすれば一歩前進だ」と評価するのがこの記事なのだが、とても感心できる内容ではない。
なぜなら中国人民対外友好協会(対外友協)とは中国の危険な対外謀略機関だからである。

自民党の高村正彦副総裁(右5)は対外友協の李小林会長(右4)に期待を寄せ
たが
同協会の章程には「本会は民間外交のための組織で、中国人民を代表し、国際社会、世界各国と広く深く友人として交わり、中国と世界各国との友好関係の社会的基礎を築き、中国の特色ある社会主義事業のため、広範な国際的支持を勝ち取る」とある。このように各国の人々を籠絡して中国シンパを繁殖させ、中国翼賛の海外ネットワークを構築するのがこの機関の任務なのだ。中国が盛んに推進す「民間外交」「民間交流」とは、「以民促官」「以民逼官」、つまり相手国の民間をコントロールしてその国の政府に影響力を及ぼすという「硝煙なき戦争」の一環なのである。
五月十五日に人民大会堂で開催された対外友協設立六十周年の記念大会では、習近平氏が演説を行い、こう述べた。

対外友協設立60周年記念大会で演説する習近平主席。自国の覇権主義を否
定した
「中国は中華民族の偉大な復興の実現過程において、世界各国と共に各国人民のそれぞれの夢の更に良い実現を推進して行く」
「中華民族は平和を熱愛する民族であり、一貫して平和、和睦、調和という確固たる理念を追及、伝承してきた。中華民族の血液に他者を侵略して世界に覇を唱えるという遺伝子はない。中国人民には『国が強ければ必ず覇を唱える』との論理を受け容れない」
これを見ても明らかなように、「中華民族の偉大なる復興」に対する各国の翼賛を求めることが、この組織の目的なのだ。
自国の露骨な覇権主義を平然と否定しているが、これは「中華民族の偉大なる復興」の障害である世界各国の「中国脅威論」を否定せよと、世界の中国シンパへに指令を下したようなものだ。会場には鳩山由紀夫元首相や江田五月元参院議長らもいたが、これらシンパはどう受け止めたか。

スピーチする鳩山由紀夫元首相。見事に籠絡された日本人の代表だ
スピーチに立った鳩山氏は「紛争を根本的に解決するには、心を開くことから始めるべきだ」と、中国の脅威にも「心を開く」相変わらずの「友愛」論を展開。中国にはこうした人物こそ「偉大なる復興」に欠かせない翼賛者と映ることだろう。
李小林氏は二十七日、海外向けの国営通信、中国新聞社のインタビューで日中関係について聞かれ、「主な問題は日本の側にある。私たちは更に多くの日本人を親中派、友中派に変えたい。中日民間交流は今でも間断なくつづている」と語っている。「習氏とじかに話ができる」ことを餌に対中関係の改善で焦る日本の政界を取込み、安倍政権を牽制、包囲、打倒しようとの魂胆だ。
こうした中国側の謀略攻勢を見て、あろうことか「日中関係の風向きが少しだけ変わってきた」などと無防備に喜ぶ日経なども、すでに中国翼賛ネットワークに組み込まれているということではないだろうか。
【過去の関連記事】
習近平の密使・李小林が来日―福田康夫、鳩山由紀夫元首相らを操縦か 2013/04/02
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2082.html
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台湾研究フォーラム第166回定例会
演題:日本統治時代における文化遺産の再評価ー海の向こうの台湾で“あなたの知らない日本”と出会おう」
講師:柯勝釗氏(元台湾・文化部文化資産局事務官、現在日本留学中)

「文化遺産」とは行政法令で指定されるだけのものではなく、人と人との「絆」を繋ぐものでもある。したがって「文化遺産」は必ずしも「有形物」ではない。文化交流、心の交流に結び付くこともまた「文化遺産」の最高価値と思われる。日本統治時代の「文化遺産」は現在の台湾でどう見られ、どう再評価されているのか。数例を挙げながら皆さんと交流したい(講師談)。
…………………
【講師略歴】柯勝釗(か・しょうしょう)1976年、台湾・高雄生まれ。九州大学 芸術工学専攻、博士後期課程D1(藤原研究室)。台湾国立台南大学(元国立台南師範学院)郷土文化大学院にて修士学位を取得(修士論文のテーマは:日本植民時代における台南の社会活動に関する研究―台南公会堂を事例に)。2007年、文化行政公務員の資格を取得し、行政院文化建設委員会文化資産総管理処(現文化部文化資産局)に勤務、文化遺産保存業務などを担当。2013年、東京大学大学院人文社会系研究科にて研究生。2013年、九州大学芸術工学専攻、博士後期課程に進学。「郷土文化を重視し、特に文化遺産に関心。最大の願いは台湾という国及び文化の主体性を構築し、日本との文化交流を促進すること」という。
…………………
■日時 5月31日(土)18時15分~20時15分
■場所 文京区民センター 3―A
(東京都文京区本郷4-15-14/文京シビックセンターの斜向い)
交通:都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩2分
東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩5分
JR「水道橋駅」徒歩15分
■会費 会員500円 一般1000円
(平成26年度会員募集中。年会費2000円。会場で受け付けます)
■申込み 不要
■懇親会 閉会後に会場付近で開催
■問合せ twkenkyuforum@yahoo.co.jp (事務局)
5.31 中国のアジア侵略阻止!アジア連帯行動
平成26年5月31日(土)
日程
12時30分 街頭演説 於・渋谷ハチ公前広場
14時00分 デモ集合 於・三河台公園 (六本木4-2-17)
15時00分 デモ出発
15時45分 笄公園到着
16時00分 中国大使館前抗議活動
注意事項
・ プラカード持参可(ただし、民族差別的なものは禁止)。
・ 国旗以外の旗類・拡声器の持ち込みはご遠慮ください。
主催 頑張れ日本!全国行動委員会
お問合せ 頑張れ日本!全国行動委員会 http://www.ganbare-nippon.net/ TEL 03-5468-9222
それによると、
―――当はよりを戻したいけれど、相手の考えがわからない。そんなすれ違いが、冷えきった日中関係の改善を阻んできた。途切れたパイプのつなぎ役はいないのか。日本側が期待を寄せるのが、中国の高級幹部の子弟である「太子党」だ。
―――(五月)5日午前、北京の天安門広場にほど近い中国人民対外友好協会。日中友好議員連盟のメンバーを率いてここを訪れた自民党の高村正彦副総裁は、鮮やかな赤の服を着て現れた同協会の李小林会長と向き合った。
―――「李会長は習近平国家主席と幼なじみだそうで、私たちが李会長にものを言えば、必ずそれが習主席の耳にも入るとうかがっています」
―――李氏は1980年代に国家主席を務めた李先念氏の娘。副首相だった習仲勲氏を父にもつ習氏とは、同じ太子党の仲間として親交を深めてきた。
―――その日の午後、高村氏は共産党のなかで習氏、李克強首相に次ぐ序列3位の張徳江・全国人民代表大会委員長(国会議長に相当)と会った。昨年12月に安倍晋三首相が靖国神社を参拝してから、日本の国会議員が共産党の最高指導部である政治局常務委員会のメンバーと会談したのは初めてだ。「あれだけ高位の人が出てくるとは予想していなかった」。自民党幹部は中国側の手厚いもてなしの背後に、李氏から習氏への働きかけがあったと感じている。
李小林氏のように「習氏とじかに話ができる太子党とのパイプを太くしたい」との思いが日本側にある。そのため「日中首脳会談が実現するまでの道のりはなお遠い。それでも、お互いに本音を伝え合うための手だてを探りはじめたとすれば一歩前進だ」と評価するのがこの記事なのだが、とても感心できる内容ではない。
なぜなら中国人民対外友好協会(対外友協)とは中国の危険な対外謀略機関だからである。

自民党の高村正彦副総裁(右5)は対外友協の李小林会長(右4)に期待を寄せ
たが
同協会の章程には「本会は民間外交のための組織で、中国人民を代表し、国際社会、世界各国と広く深く友人として交わり、中国と世界各国との友好関係の社会的基礎を築き、中国の特色ある社会主義事業のため、広範な国際的支持を勝ち取る」とある。このように各国の人々を籠絡して中国シンパを繁殖させ、中国翼賛の海外ネットワークを構築するのがこの機関の任務なのだ。中国が盛んに推進す「民間外交」「民間交流」とは、「以民促官」「以民逼官」、つまり相手国の民間をコントロールしてその国の政府に影響力を及ぼすという「硝煙なき戦争」の一環なのである。
五月十五日に人民大会堂で開催された対外友協設立六十周年の記念大会では、習近平氏が演説を行い、こう述べた。

対外友協設立60周年記念大会で演説する習近平主席。自国の覇権主義を否
定した
「中国は中華民族の偉大な復興の実現過程において、世界各国と共に各国人民のそれぞれの夢の更に良い実現を推進して行く」
「中華民族は平和を熱愛する民族であり、一貫して平和、和睦、調和という確固たる理念を追及、伝承してきた。中華民族の血液に他者を侵略して世界に覇を唱えるという遺伝子はない。中国人民には『国が強ければ必ず覇を唱える』との論理を受け容れない」
これを見ても明らかなように、「中華民族の偉大なる復興」に対する各国の翼賛を求めることが、この組織の目的なのだ。
自国の露骨な覇権主義を平然と否定しているが、これは「中華民族の偉大なる復興」の障害である世界各国の「中国脅威論」を否定せよと、世界の中国シンパへに指令を下したようなものだ。会場には鳩山由紀夫元首相や江田五月元参院議長らもいたが、これらシンパはどう受け止めたか。

スピーチする鳩山由紀夫元首相。見事に籠絡された日本人の代表だ
スピーチに立った鳩山氏は「紛争を根本的に解決するには、心を開くことから始めるべきだ」と、中国の脅威にも「心を開く」相変わらずの「友愛」論を展開。中国にはこうした人物こそ「偉大なる復興」に欠かせない翼賛者と映ることだろう。
李小林氏は二十七日、海外向けの国営通信、中国新聞社のインタビューで日中関係について聞かれ、「主な問題は日本の側にある。私たちは更に多くの日本人を親中派、友中派に変えたい。中日民間交流は今でも間断なくつづている」と語っている。「習氏とじかに話ができる」ことを餌に対中関係の改善で焦る日本の政界を取込み、安倍政権を牽制、包囲、打倒しようとの魂胆だ。
こうした中国側の謀略攻勢を見て、あろうことか「日中関係の風向きが少しだけ変わってきた」などと無防備に喜ぶ日経なども、すでに中国翼賛ネットワークに組み込まれているということではないだろうか。
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習近平の密使・李小林が来日―福田康夫、鳩山由紀夫元首相らを操縦か 2013/04/02
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台湾研究フォーラム第166回定例会
演題:日本統治時代における文化遺産の再評価ー海の向こうの台湾で“あなたの知らない日本”と出会おう」
講師:柯勝釗氏(元台湾・文化部文化資産局事務官、現在日本留学中)


「文化遺産」とは行政法令で指定されるだけのものではなく、人と人との「絆」を繋ぐものでもある。したがって「文化遺産」は必ずしも「有形物」ではない。文化交流、心の交流に結び付くこともまた「文化遺産」の最高価値と思われる。日本統治時代の「文化遺産」は現在の台湾でどう見られ、どう再評価されているのか。数例を挙げながら皆さんと交流したい(講師談)。
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【講師略歴】柯勝釗(か・しょうしょう)1976年、台湾・高雄生まれ。九州大学 芸術工学専攻、博士後期課程D1(藤原研究室)。台湾国立台南大学(元国立台南師範学院)郷土文化大学院にて修士学位を取得(修士論文のテーマは:日本植民時代における台南の社会活動に関する研究―台南公会堂を事例に)。2007年、文化行政公務員の資格を取得し、行政院文化建設委員会文化資産総管理処(現文化部文化資産局)に勤務、文化遺産保存業務などを担当。2013年、東京大学大学院人文社会系研究科にて研究生。2013年、九州大学芸術工学専攻、博士後期課程に進学。「郷土文化を重視し、特に文化遺産に関心。最大の願いは台湾という国及び文化の主体性を構築し、日本との文化交流を促進すること」という。
…………………
■日時 5月31日(土)18時15分~20時15分
■場所 文京区民センター 3―A
(東京都文京区本郷4-15-14/文京シビックセンターの斜向い)
交通:都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩2分
東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩5分
JR「水道橋駅」徒歩15分
■会費 会員500円 一般1000円
(平成26年度会員募集中。年会費2000円。会場で受け付けます)
■申込み 不要
■懇親会 閉会後に会場付近で開催
■問合せ twkenkyuforum@yahoo.co.jp (事務局)
5.31 中国のアジア侵略阻止!アジア連帯行動
平成26年5月31日(土)
日程
12時30分 街頭演説 於・渋谷ハチ公前広場
14時00分 デモ集合 於・三河台公園 (六本木4-2-17)
15時00分 デモ出発
15時45分 笄公園到着
16時00分 中国大使館前抗議活動
注意事項
・ プラカード持参可(ただし、民族差別的なものは禁止)。
・ 国旗以外の旗類・拡声器の持ち込みはご遠慮ください。
主催 頑張れ日本!全国行動委員会
お問合せ 頑張れ日本!全国行動委員会 http://www.ganbare-nippon.net/ TEL 03-5468-9222
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